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肉を増量、豆も加えたボリューム満点のシチュー版ボルシチ

肉を増量、豆も加えたボリューム満点のシチュー版ボルシチ

世界のスープ図鑑 Vol.02
肉を増量、豆も加えたボリューム満点のシチュー版ボルシチ
by 佐藤 政人
世界のスープ図鑑

ボルシチはロシアのスープ、という印象があるけれど、実はウクライナが起源といわれており、ウクライナの無形文化遺産としてユネスコに登録申請が出されている。起源はともあれ、ボルシチはウクライナ、ロシア、その周辺国だけでなく、今では世界的に最も知られたスープのひとつとして挙げられる。寒い冬に最適なスープとしてよく紹介されるボルシチは、ビーツの真っ赤な色が印象的で衝撃ともいえる。色もさることながら、体の芯まで温まるホカホカスープでもある。

ボルシチは、それ自体ボリュームがあるスープだけど、ここで紹介するのは骨付き肉を使って量を増やし、豆も加えてボリュームアップしたシチュー版だ。肉が簡単に骨から外れるくらい、柔らかくなるまでじっくり煮込み、野菜に肉のエキスをたっぷりと染み込ませる。食べるときにも盛りつけたボルシチにサワークリームをのせるのが普通だが、そのまま熱々を食べたいのでは省いた。

肉を増量、豆も加えたボリューム満点のシチュー版ボルシチ

材料(4~6人分)

●骨付き豚肉(バックリブ) 400~500g
●ベイリーフ 2枚
●チキンまたは野菜ブロス 1500cc
●サラダ油 大さじ2
●玉ネギ(みじん切り) 小1個
●ニンニク(みじん切り) 2粒
●ビーツ 大1個
(チーズグレイターで粗くおろす)
●ニンジン 1本
(チーズグレイターで粗くおろす)
●トマト(皮をむいて1㎝サイコロ) 2個
●キャベツ(千切り) 小1/2個
●ジャガイモ(一口大) 中2個
●缶入りグレートノーザンビーンズ
またはキドニービーンズ 1缶
●サワークリーム 適宜
●ディル(粗みじん) 適宜
●塩とコショウ 適宜

 

作り方

鍋に豚肉、ベイリーフ、塩小さじ1、コショウ一摘みを入れ、ブロスを注いで沸騰させたら、アクを取って弱火にする。

身が簡単に骨から離れるくらいまで豚肉が柔らかくなったら、フライパンでサラダ油を熱し、玉ネギ、ニンニクを加えて玉ネギが透き通るまで炒める。ビーツ、ニンジンを加えて、さらに数分炒める。

トマトを加えて、トマトが崩れるまで炒めたら、キャベツ、ジャガイモ、豆といっしょに豚肉が入っている鍋に加えて、野菜が柔らかくなるまで弱火で煮る。

サワークリーム、ディル20gを加えてひと煮立ちさせ、塩とコショウで味を調える。

Writer’s Profile

佐藤 政人
佐藤 政人
アメリカ東海岸ボストン近郊在住、すでに20年強。日々世界の料理を探索することに明け暮れています。誠文堂新光社より『世界のサンドイッチ図鑑』『世界のスープ図鑑』『世界のサラダ図鑑』などを出版。

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