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眩しいほどに鮮やかな、春の新緑をスープにして食卓に

眩しいほどに鮮やかな、春の新緑をスープにして食卓に

世界のスープ図鑑 Vol.04
眩しいほどに鮮やかな、春の新緑をスープにして食卓に
by 佐藤 政人
世界のスープ図鑑

アメリカ北部の冬は寒く長い。連日氷点下に見舞われ、零下20度以下にまで気温が下がることも多い。暖かくなり始めると「今年の冬もサバイブしたね」なんていう言葉を耳にする。桜が散ると、間もなくあたりが眩しいほどに鮮やかな新緑に満ち溢れていることに、ハッとする。ファーマーズマーケットにはみずみずしい野菜が並び、イラクサ、スイバといった山菜の季節も始まる。

春を代表する野菜のひとつであるクレソン、そのピリッとした味わいは、爽やかな新緑の味といえる。そら豆もおそらく5月頃から、房に入った新鮮なものが店頭に並び始める。このふたつの素材を使ったのがこのスープだ。

地方によっては生のそら豆が手に入りにくいかもしれない。ないときは、冷凍のものを使ってかまわない。もしかすると近くの公園や林で、タンポポやイラクサ、スイバが見つかるのではないだろうか。そんな野草を摘んでスープに入れると、さらに春らしくなる。スーパーで買える野菜の中にもクレソンのほか、アルグラやダンデライアン(タンポポの葉)のような、春がシーズンの野菜があるので、それを加えるか、またはクレソンの代りに使うのもいい。

眩しいほどに鮮やかな、春の新緑をスープにして食卓に

材料(4~6人分)

●オリーブオイル 大さじ2
●玉ネギ(粗みじん) 中1個
●セロリ(粗みじん) 1本
●ニンニク(みじん切り) 1粒
●チキンまたはベジタブルブロス 800㏄
●そら豆(冷凍可) 350~400g(皮むき後)
●クレソン 80g(太い茎の部分と分けて、葉側を飾り用に 少し残し、残りはざく切り)
●ミント 5~10g
(好みで量を増減。 飾り用に少し残して残りは千切り)
●塩 適宜
●白コショウ 適宜

作り方

鍋でオリーブオイルを熱し、玉ネギ、セロ リ、ニンニクを加えて、玉ネギが透き通るま で中火で炒める。

強火にして、ブロス、塩一摘みを加え、沸 騰したらそら豆を加えて、弱火で柔らかく なるまで煮る。

もう一度強火にして、クレソンとミントを加 え、ひと煮立ちさせたら火から下ろす。

ブレンダーでスムースになるまで攪拌した ら鍋に戻し、塩、白コショウで味を調えてひ と煮立ちさせる。

スープを器に盛り、取っておいたクレソンと ミントを飾る。

Writer’s Profile

佐藤 政人
佐藤 政人
アメリカ東海岸ボストン近郊在住、すでに20年強。日々世界の料理を探索することに明け暮れています。誠文堂新光社より『世界のサンドイッチ図鑑』『世界のスープ図鑑』『世界のサラダ図鑑』などを出版。

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