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白い豆とトマトが眩しいくらいに鮮やかなギリシャのスープ

白い豆とトマトが眩しいくらいに鮮やかなギリシャのスープ

世界のスープ図鑑 Vol.05
白い豆とトマトが眩しいくらいに鮮やかなギリシャのスープ
by 佐藤 政人
世界のスープ図鑑

日差しが強くなってくると、夏の様々な風景が頭に浮かんでくる。眩い緑で覆われた山々、清らかな川の流れ、真っ青な空と海、その風景は人によってまちまちだが、白壁の家並みの向こうに青い空と海が広がる地中海の風景を思い浮かべる人も多いだろう。今回紹介するのはそんな地中海に思いを馳せるのに絶好のスープである。

ギリシャは長い歴史の中で世界に名だたる豊潤な食文化を築いてきた。ギリシャのナショナルディッシュともいわれるファソラダは、安価で手に入る豆を使った、香り高く、美しく、味わい深いスープ。このスープの向こう側には美しい景色が広がっているだけでなく、ギリシャの食文化のすばらしさを垣間見ることもできる。

豆は何でもかまわないが、ネイビービーンズのような小さい豆がよく合う。このレシピではトマトペーストを使っているけど、熟した甘みが強いトマトが手に入ったらぜひペーストの代りに使ってほしい。もちろん缶詰でもいい。

白い豆とトマトが眩しいくらいに鮮やかなギリシャのスープ

材料(4~6人分)

●乾燥ネイビービーンズまたはカンネリーニビーンズ 450g
(調理済の場合は1000~1200g)
●オリーブ油 大さじ2
●ニンジン 2本
(300g、細いものはそのまま、太いものは縦に2等分して厚めに切る)
玉ネギ(1㎝角切り) 中2個
セロリ(厚めに小口切り) 3本
トマトペースト 大さじ1
●野菜ブロスまたは水 6~8カップ
●ベイリーフ 2枚
●オレガノ 小さじ1/2
●パプリカ 小さじ1/2
●塩コショウ 適宜

作り方

乾燥豆を使う場合は一晩たっぷりの水に浸しておく。

鍋でオリーブ油を熱してニンジン、玉ネギ、セロリを加えて玉ネギが透き通るまで炒める。

トマトペーストを加えて混ぜ合わせたら豆をよく洗って加え、野菜ブロスまたは水、ベイリーフ、オレガノ、パプリカ、塩コショウ一摘みを加えて沸騰させる。弱火で材料にすべて火が通るまで煮る。調理済の豆を使う場合は、野菜が柔らかくなった時点で加える。

塩コショウで味を調え、器に注いでオリーブ油をかけてイタリアンパセリを散らす。

オリーブ(できたらカラマタオリーブ)とパンとともに食卓へ。

トッピング ※お好みに応じて

●オリーブ油 適宜
●イタリアンパセリ(みじん切り) 適宜

Writer’s Profile

佐藤 政人
佐藤 政人
アメリカ東海岸ボストン近郊在住、すでに20年強。日々世界の料理を探索することに明け暮れています。誠文堂新光社より『世界のサンドイッチ図鑑』『世界のスープ図鑑』『世界のサラダ図鑑』などを出版。

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