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カジキマグロでネギマ鍋

カジキマグロでネギマ鍋

Yukoシェフのシェアレピ Vol.02
カジキマグロでネギマ鍋
by 村上 有子
カジキマグロでネギマ鍋

リークで疲れた胃をリセット!

時は戻り、江戸時代末期。黒潮の流れが変わり、江戸の前(東京湾)でマグロが取れるようになりました。当時、将軍家に献上する魚は白身魚が多く、マグロのように色が黒く変色してしまう赤身の魚は人気がありませんでした。冷蔵庫の無い時代、赤身の部分は漬けにして保存され、当時流行りだしていた屋台で食べる握り寿司のネタになったようです。ただ、今では重宝されている脂の乗った大トロやカマの部分は脂が多い故にすぐに傷んでしまうため、畑の肥やしにされていたのだそう。なんとも勿体ない・・そこで庶民はどうにかこの美味しい部分を食べる方法がないかということで、お鍋にして食べるようになったというのがネギマ鍋の由来です。

今ではそんな部位を勿体なくて鍋にはできませんよね。そこで、今回は脂のたっぷりと乗ったカジキマグロを使ってネギマ鍋にしてみました。脂が乗ったカジキマグロの出汁の旨味を、一緒に煮込んだリークがたっぷりと吸って、冬にぴったりの体がポカポカになるお鍋に仕上がりました。

リークはネギと同様ビタミンCも豊富に含まれていて、風邪の予防にも効果があります。Thanksgiving~年末年始までパーティーシーズンを終えて疲れた胃に、優しいお鍋で身体を癒してみてはいかがですか?

材料(2人分)

●リーク 1本(200g)
●だし汁 3cup
●にんにく 大2片(スライス)
●バター 大さじ1~2(お好みで増やす)
●めんつゆ 大さじ2
●カジキマグロ厚切り 1切れ(350g)
●クレソン 適量
●餅 2個
●お好みで七味や柚子胡椒など

作り方

リークは泥をよく落とすように水洗いし、2cm幅にカットしておく。 (緑の葉の部分も使用)
リークの葉の間にある泥はしっかりと水洗いしましょう。

(写真a)リークの葉の間にある泥はしっかりと水洗いしましょう。

鍋にだし汁を温め、そこに①のリーク、にんにく、バターを加えて一度沸騰させ、 リークが柔らかくなるまで20分ほど弱火で煮込む。
にんにくとバターを加えることでコクが増します。バター好きな方はお好みで増やしてください。

(写真b)にんにくとバターを加えることでコクが増します。バター好きな方はお好みで増やしてください。

リークを煮ている間にカジキマグロの皮を引き、身を食べやすい大きさに切ったら 塩をしてしばらく置いておく。カジキマグロに塩をして置いておくことで、魚の生臭さを取り除くことができます。しっかりと水気を切ってから鍋に加えましょう。

②の鍋に水気を切った③のカジキマグロを加え、 さらにめんつゆを加えたらカジキに火が入るまでサッと火を通す。

最後にクレソン、焼いた餅を加えたら出来上がり! 七味や柚子胡椒を添えて召し上がれ。

(写真c)カジキマグロに塩をして置いておくことで、魚の生臭さを取り除くことができます。しっかりと水気を切ってから鍋に加えましょう。

ネギマ鍋をアレンジ!

ネギマ鍋のカジキマグロをカキや貝類に変えます。
カキはしゃぶしゃぶのような感じで。その他の貝類は洗ってから殻ごと鍋に加えて口を開けてください。
バターが絡まったカキや貝はこの上なく美味しく召し上がれます。
残った汁はラーメンやうどんで締めても美味しいですよ!

Writer’s Profile

村上 有子
村上 有子
料理研究家/栄養士●東京及びリヨン(仏)で製菓製パンを習得後、広尾「アクアパッツァ」日高良実シェフのもとイタリア料理を習得。2016年から活動拠点をNYへ移し、企業向レシピ開発・ケータリング・出張シェフ等で活躍。
Instagram:yukokitchen.nyc

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料理研究家/栄養士●東京及びリヨン(仏)で製菓製パンを習得後、広尾「アクアパッツァ」日高良実シェフのもとイタリア料理を習得。2016年から活動拠点をNYへ移し、企業向レシピ開発・ケータリング・出張シェフ等で活躍。