You are currently viewing アメリカの卵 どのように選べばいい?

アメリカの卵 どのように選べばいい?

なるほど!食の雑学 Vol.06
アメリカの卵 どのように選べばいい?
by ソフィーMichie Onoyama
A Trip Down Memory Lane こころに残る四季折々の日本

アメリカの卵は選択肢が多すぎて、選ぶのに困ってしまうことがあります。そこで基本的なサイズや色の違い以外にも、等級の見方や、鶏の飼育状況等による表記の種類をまとめてみました。

卵

アメリカでの卵の選び方

《卵のサイズ》

スーパーで売られているのは、medium、large、extra largeが殆どですが、規格では、peeweeやsmallといった極小サイズや、jumboという超特大サイズもあります。

《卵の色の区別》

殻の色: 白と茶色の殻は、あくまで鶏の種類の違いによるので、栄養に大差はないそうです。ただ茶色の方が値段が高いことが多いのは、こちらの鶏が相対的に大きく、餌を多く必要とする為、経費がかかるという理由から。

黄身の色: 色の差が出るのは鶏が食べる餌によるので、これも栄養価は大差なし。コーンミールを食べる多くの鶏の卵の黄身は薄い黄色で、マリゴールドを食べさせたりすると、黄身が濃い色になっていくわけです。

《グレード別》

アメリカで流通している食品基準は、USDA(米国農務省)が取り決めます。スーパーで見るのは、最優良卵のグレードAAか、優良卵のグレードAのみ。グレードBは、加工品に使用されるレベルです。

鶏の飼育・栄養・衛生状態を表す用語

《鶏の飼育状態による違い》

Battery Caged: スーパーにある9割がたの卵は、狭い籠の中で肩寄せ合って生きている鶏から来ているそうです。
Cage Free: ある程度自由はあるものの、納屋というか養鶏場の中だけで生活していることに変わりはありません。
Free Range: この鶏たちは外に出られます♪
USDA基準では、生産過程の鶏が毎日一定時間外気に触れ、仲間との社交時間も確保できることが前提。
Pasture Raised: 日中は戸外で自由に歩き回って牧草を食べ、仲間と遊んだりできます。(”Pasteurized”とは別)

《栄養・衛生状態の表示》

Farm-fresh: 通常、卵が産み落とされてから72時間以内に店頭に運ばれるのですが、この表現はUSDAの監視下にはないので、直売以外には全面的に信用しない方がいいと思います。
Hormone-free: ホルモン剤注入か否かの問題ですが、本来FDA(米国食品医薬品局)では、鶏類の全食品へのホルモン剤使用は禁止のため、わざわざ書く必要もないのですが。
No Antibiotics: 抗生物質にしても、卵製品に使用されることはほぼないとみていいので、まあ再確認程度でいいでしょう。
Omega3-enriched: 亜麻仁や魚油等のオメガ3脂肪酸を補強した物ですが、特に規制はなく、実際どの程度の有効成分が含まれるかは疑問。
Organic: USDA基準では、ケージフリーで、餌に何ら人工的な物や除草剤をまいた物を使用していないことが求められます。
Pasteurized: 低温殺菌の意味で、唯一、生で食べられる卵です。アメリカのスーパーに並ぶ殆どの卵は、加熱殺菌をしてサルモネラ菌等を除去していませんので、Pasteurized以外の卵は生で食べない方がよいと言われています。

以上、いろんな用語があって迷いますが、ご自身で判断基準を作り、予算と相談しつつ、家族の好みと使用目的に見合った卵を選ぶことですね。

Writer’s Profile

ソフィーMichie Onoyama
ソフィーMichie Onoyama
1987年、シアトルでアメリカ人の夫と出会う。一人息子が巣立った後、空の巣症候群対策として、2007年、洋菓子レシピのメルマガを始める。2017年には食生活解説ブログを開始。
メルマガ無料購読は mag2.com/m/0000246262.html

関連記事

茄子のカリウムで夏バテ予防! 夏に定番のそうめん。食欲のない暑い夏に大活躍な食材です。そんな「そうめん」は、なんと1200年の歴史を持つそう。古くは平安時代から食べられていたとも言われています。そうめんの製造工程は、まず […]

暑い夏に! 爽やかビタミンゼリー 柑橘類の代表格、オレンジ。ビタミンCが豊富に含まれ、コラーゲンの生成を促すため、美肌に効果があるので、特に女性には嬉しい果物ですね。オレンジの中でもバレンシアオレンジより、ネーブルオレン […]

夏のむくみをズッキーニで解消! 夏に旬を迎えるズッキーニ。たんぱくな味わいとみずみずしい食感が特徴的です。その形や形状からきゅうりの仲間と思われる方も多いかもしれませんが、実はかぼちゃの一種。体内のナトリウム(塩分)を排 […]

みなさん、こんにちは。六月になり、今年も折り返しとなりますね。水無月という和名は、水も枯れ尽きるという意味合いの「水な月」から変化したなど諸説あります。蒸し暑い日が続くと風が恋しくなるという意味から「風待月」という美しい […]

A Trip Down Memory Lane こころに残る四季折々の日本

サラダの種類に付いている名前について考えたことはありますか? まず、地名や人名などの固有名詞がついて有名になった物を挙げて、その由来を探ってみました。次に、サラダを作る方法や形態から名前が付いた物を挙げて解説しています。 […]

まるごとレモンでビタミンチャージ! ビタミンCの代表選手とも言えるレモン。レモンの爽やかな酸味と香りは、お料理を引き立たせてくれるだけでなく、風邪の予防など健康に嬉しい栄養素も含まれています。レモンは色々なお料理に使える […]

ワインによく合う! パプリカでおもてなし お客様をおもてなしする時、「どんなメニューにしよう・・」と悩むことがありませんか? そんな方のために、ホームパーティーでの献立の組み立て方についてご紹介したいと思います。 私がい […]

皆さんは最近、食品分野で「フリーズドライ」という言葉を聞きませんか? よくお客様にインスタント味噌汁とフリーズドライの味噌汁の違いは何ですか?と聞かれる事があります。フリーズドライは元々宇宙食の技術を応用したものです。宇 […]

A Trip Down Memory Lane こころに残る四季折々の日本

アメリカのポテトの種類って、どのくらいあるのでしょうか?  起源をたどると、南米のアンデス山脈付近で、紀元前5千年~8千年の頃から栽培されてきた物なんですね。世界に約4千種はあると言われる中で、アメリカだけでも約200種 […]

春光~さつまいも練り切り

みなさま、こんにちは。春の陽気がここちよいですね。昨年末「菓銘をもつ生菓子(練り切り)」が、文化庁「登録無形文化財」となりました。和菓子には、団子や羊羹という種類の名前のほかに、「菓銘」という「名前」が付けられているもの […]

あけましておめでとうございます。新年を晴々しい気持ちで迎えられたことと思います。本年もアメリカで楽しめる和菓子のレシピやエッセイをご紹介させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。 お正月がすぎると寒の入り。 […]

みなさま、いかがお過ごしでいらっしゃいますか。11月、霜月となりました。今年も残すところわずかですね。日に日に寒暖の差も激しくなってきますので、今号では温かい和風スフレのレシピをご紹介します。スフレは17世紀のフランスで […]

おすすめ記事

漁師という生き方

九州南部のとある漁師町。県全体の7割もの漁獲量を誇り、天然の良港に恵まれた町がある。最寄りの駅からは、峠を越えて、くねくねしたリアス式海岸沿いの道を車で走らせること30分。穏やかな海に囲まれた漁港のそばで、何隻もの漁船が […]

お笑い芸人パックンのめっちゃポジティブになれるお悩み相談室

海外で暮らすと空気が読めなくなる…!? パックンに相談です。先日、5年間のアメリカ生活を終えて日本に帰国したのですが、海外生活が長かったせいか日本人特有の「空気を読む」ことが難しくなっています。会食中に「最後の一個残し」 […]

まるごとレモンでビタミンチャージ! ビタミンCの代表選手とも言えるレモン。レモンの爽やかな酸味と香りは、お料理を引き立たせてくれるだけでなく、風邪の予防など健康に嬉しい栄養素も含まれています。レモンは色々なお料理に使える […]

私は、所属しているU.S. armyからの辞令で、テキサスにある基地に転勤となり、2020年に3年の予定でコロラド州のデンバーからテキサス州コーパスクリスティに越してきました。コーパスクリスティはテキサス州で8番目の都市 […]

スポートを物語る

by サイラス・リュウイチ・トラン サッカーは、多くの人に開かれたスポーツです。私は、プロサッカーチームのないハワイで生まれ育ちましたが、幼少の頃からボールを必死に追いかけて、プロサッカー選手になる夢を叶えました。そして […]

新着記事

日本ではオレオレ詐欺などに代表される、電話を使った詐欺。アメリカにもいっぱいあります。むしろ頻度は米国の方が酷いかも?引っ越してきたばかりの頃は、状況が理解できず詐欺の被害に遭ってしまう方もいらっしゃるので注意が必要です […]

世界史雑談(ヒストリー サイド トリップ)

現在日本では、ファッションや音楽、料理など、昭和レトロのカルチャーが流行っています。同様に、ネクタイもお父さんが締めていたようなクラシックなデザインがトレンドだそうです。そもそも、ネクタイにはどういう歴史があるのでしょう […]

初代タイガーマスク 佐山サトルが明かす秘話

世間との温度差 当時、いきなりスターになってどういう気持ちですか、とよく聞かれましたが、誰も私の身の上は知りませんでした。 慣れというのは恐ろしいもので、若干二十三歳であっても、三年間の海外修行を、ベビーフェイスでメイン […]

石田純一 1954年東京都生まれ。1972年NHKドラマでデビュー。80年代には、数々のトレンディードラマに出演し、絶大な人気を得る。ドラマや舞台、映画など多方面で活躍。2021年に始めたYouTubeチャンネル「じゅん […]

by ルーバル朋子 スペインの宣教師がカリフォルニアで最初のミッションを建てたことから、サンディエゴのオールドタウンはカリフォルニア生誕の地と呼ばれていることをご存知ですか? ミッションはカリフォルニアに21ヶ所建てられ […]

漁師という生き方

60歳をこえると、少しの風邪が平気で長引くようになる。発熱と咳、なかなか治らんなぁと思っていたら軽い肺炎だった。少し体調が良くなったかと思えば、今度は集中豪雨。海がしけては漁に出られない。体調と天候の悪化がかぶると、漁師 […]

女子神職として初めての祭事で失態を犯してしまった私は、当日はさすがに落ち込んだものの、そこから心身ともに逞しく成長していった。ある意味初めに失敗したことで、もう恐れるものは何も無いという気持ちになったのだ。 そのうち祈祷 […]

クスリのいろは

目薬 目薬を使う理由は、①目の病気で定期的に②アレルギーなどのかゆみに③コンタクトなどドライアイに④疲れ目に、などではないでしょうか。カナダの山火事の影響で、中西部~東部では空気が悪い状態が続いていると聞きました。例年の […]

スポートを物語る

by Satsuki 仕事を辞めて駐在妻になる! そう決めたのは私自身なのに・・・ だんだん失っていく自信と自分に対するアイデンティティ。 これから先、私の人生はどうなるんだろう。 不安に押しつぶされそうになっていたのは […]

世界史雑談(ヒストリー サイド トリップ)

新型コロナウイルスは2023年現在、かつてのような深刻な脅威ではなくなっています。その理由の一つには、迅速なワクチンの開発があります。かつて多くの命を奪った病気を、ワクチンによって撲滅させた偉大な医学者を紹介します。 「 […]

ソフィーMichie Onoyama

1987年、シアトルでアメリカ人の夫と出会う。一人息子が巣立った後、空の巣症候群対策として、2007年、洋菓子レシピのメルマガを始める。2017年には食生活解説ブログを開始。