処方箋は90%以上がジェネリック
ジェネリック医薬品とは、新薬(先発医薬品)の特許が切れた後に販売される、後発医薬品のことをいいます。新薬と有効成分や効能・効果は同じですが、製造工程や添加物、形状などは違う場合もあり、新薬より低価格で提供されます。新薬が誕生するにあたり、日本の厚生労働省にあたるFDA（アメリカ食品医薬品局）による厳密な審査があり、莫大な費用と年数がかかります。新薬となり得る有効成分の特許申請から約20～25年後にジェネリック医薬品が市場に出回ります。しかし、その間に開発、治験、再審査なども含むため、実質的な新薬の独占販売は5~10年ともいわれています。
医療保険によって医薬品の値段が違う
アメリカで薬を処方された際、薬局でもらう薬は一般名が書いてあることが多いと思います。いわゆるジェネリック医薬品です。よっぽど医師や患者さんの強い希望がなければ、処方箋にブランド名（新薬）で書かれていても、ジェネリック医薬品で調剤される仕組みになっています。
アメリカは、日本と違って医療保険の種類やプランによって、医療費はもちろん、カバーされる薬や価格も異なります。保険会社は、フォーミュラリリストという、どの薬を保険対象とするか検討した推奨医薬品の一覧を独自に作っており、リストに入っていれば保険がきくし、リストに入っていなければ自己負担率が高くなる仕組みになっています。そして、このフォーミュラリリストでは、ジェネリック医薬品が推奨されており、「同じ効果なら安い方が得」というアメリカの合理主義を反映しています。
また、保険会社は定期的にフォーミュラリリストの検討・変更を行うため、もしも処方されていた薬がリストから外された場合、薬代が急に高くなるということもあり得るのです。大体、同じ効果の薬がリストにあることが多いので、転職などで医療保険を変更した時や、急に薬代が高くなった場合などは、医師や薬剤師に相談してみましょう。
より同等の効果、安全性への課題
アメリカに限らず、価格の問題などで十分な薬が行き届いていない発展途上国も含め、ジェネリック医薬品が世界で果たす貢献は大きいです。一方で、ジェネリック医薬品の製造管理や品質管理における課題もあります。だからこそ、ジェネリック医薬品の安全性・有効性・および品質を保つことは最優先課題だと、政府も位置付けています。FDAはジェネリック医薬品と新薬の生物学的同等性を比較した、実験結果をまとめた本「オレンジブック」を作成、公開しており、今後も透明性のある比較検証が必要とされています。
| 先発医薬品/新薬(Brand Drugs) | VS | ジェネリック医薬品(Generic Drugs) |
|---|---|---|
| 同じ | 有効成分 | 同じ |
| 高い | 値段 | 安い |
| ジェネリックがなければ適用 | 保険適用 | ほとんどに適用 |
| FDAから審査承認が必要 | その他成分 | FDA承認の成分なら 新薬と同じでなくてよい |
| 同じ | 効果/用量 | 同じ |
| 新薬が基本となる | 形状 | 似ていることが多い |
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