You are currently viewing 忘れることの効用

忘れることの効用

駿台USAの提供する知的サプリ Vol.11
忘れることの効用

今回は文章から正誤を考える問題です。カリタス女子中学校の過去の入試問題になります。

【問題】
Aさん,Bさん,Cさん,Dさんの4人がそれぞれある整数をほかの人にはわからないように選び、その整数について次のように言いました。

Aさん「私が選んだ整数は3と4と5の公倍数ですが、6の倍数ではないもののうち、もっとも小さい数
です。」
Bさん 「 私が選んだ整数は4と5と6の公倍数ですが、7の倍数ではないもののうち、もっとも小さい数です。」
Cさん 「 私が選んだ整数は5と6と7の公倍数ですが、8の倍数ではないもののうち、もっとも小さい数です。」
Dさん 「 私が選んだ整数は6と7と8の公倍数ですが、9の倍数ではないもののうち、もっとも小さい数です。」

このとき、次の問いに答えなさい。

(1) 4人のうち1人だけ正しくないことを言っています。それは誰ですか。また、その理由も答えなさい。
(2) (1)で答えた人以外の3人のうち、選んだ整数がもっとも大きいのは誰ですか。
また、その整数を答えなさい。

キケロのつぶやき

忘れることの効用

徹夜で勉強しているつもりでも、実際にはほとんど頭に入っていない。反対に、一眠りして朝になると驚くほど頭がすっきりして、夜にはわからなかったことが見えてくる。このような経験は誰にでもあるのではないでしょうか。寝ている間に不要な記憶が消え、整理されると言われています。映画化されたのでご存じの方も多いと思いますが、「月の満ち欠け」(佐藤正午著)という本があります。死んで生まれ変わった後も、一定の年齢に達すると前世の記憶がそっくりよみがえってくるという話です。残っているのが愛する人への想いなので文学的ですが、小さな子供の頭の中が古い考えや価値観でいっぱいだと、いろいろ苦労しそうですね。学校では、覚えていることばかりが評価されがちですが、忘れることのありがたさも教えてくれると、もっとのびのびと生きて行けるのではないでしょうか。

よろず教育相談室

【相談】

アメリカ滞在中の小学生にとっていちばん大切な学習は何ですか?

【回答】

 最終的に日本に帰ることを前提としておられるなら、やはり国語の学習がいちばん大切であろうと思います。特に、日本人学校ではなく現地校に通っているお子さんにとって、国語の基礎をしっかりと固められるかどうかは、帰国後の学力の伸びに決定的な影響があります。

日本語は家庭で使っているからどうにかなる、というのは危険な思い込みです。学習言語としての日本語の発達は、家庭の中のツーカーの会話では育ちません。今ここにないものについて、今ここにいない人に伝える、という抽象化された世界こそが学習の根本となるからです。

確かに滞米中にしっかりと英語を身につけさせたいという気持ちは分かります。しかし、いくらできても、例えば3年生の英語力は3年生レベルでしかないということ、そしてたとえそこそこにしかできなくても、日本に帰れば大きなヘッドスタートになっているということ、この二つを忘れてはいけません。

ぜひ国語の学習を最優先のものとご承知おきください。

関連記事

世界史雑談(ヒストリー サイド トリップ)

エジソンやベルのような技術者たちが現代のテクノロジー社会を作ってきたように、食に生涯を捧げた料理人たちによる探求が現代の食文化を作ってきました。食の歴史に名を残す有名シェフたちを紹介します。 ルネサンス料理の代表的シェフ […]

世界史雑談(ヒストリー サイド トリップ)

おせち料理の数の子が縁起物とされるように、かつて子どもは多ければ多いほど良いとされ、多産は幸福の象徴とみなされました。歴史上には、子どもを考えられないほどたくさん儲けた国王たちがいます。 チンギス・カンの推定子ども人数は […]

世界史雑談(ヒストリー サイド トリップ)

誕生日には必ず「♪ハッピーバースデー トゥーユー」で始まる歌を歌います。アメリカや日本だけでなく、割とどこの国でも歌われる、大変に普及した曲です。しかしこの歌は2015年までワーナー・ミュージック社に著作権があったのをご […]

次のそれぞれの組に反対のことばを補って慣用句を完成させなさい。 ただし、□や〇の数は、入ることばの文字数を表します。 1 頭が□□□ 腕が〇〇〇 2 腰が□□□ 鼻が〇〇〇 3 心が□□□ 歯が〇〇 4 耳に□□□ あご …

皆さん、お正月はお子さんと書き初めをしましたか? 先日息子の通う補習校で書き初め大会がありました。様子を見ていると、子ども達は初めての習字でワクワクしています。一方、親はせっかくの習字のチャンスだからと気合が入り、「そこ […]

世界史雑談(ヒストリー サイド トリップ)

歴史上の人物の顔を見て「イケメンだ」と思ったことはないでしょうか。現在の女性が格好いい男性に憧れるように、昔の女性も「イケメン」に熱狂しました。その「イケメン」が現実に世界を変えるような活躍をしていたら。憧れを超えて心酔 […]

今回は、海城中学の入試から図形問題の出題です。中学入試問題ですが、中学生にもぜひ解いてもらいたい問題です。 [問題] 次の図において、三角形CEFの面積は何㎠ですか。 答えはこちら キケロのつぶやき たまねぎ 日ごろ私た […]

【問題】下の図は東京の市場に届くキュウリの月別・産地別の入荷実績を示したものです。図中のA~Cにあてはまる県名の組み合わせとして正しいものを選びなさい。 (麻布中2021) 答えはこちら キケロのつぶやき ワールドカップ […]

今回は文章から正誤を考える問題です。カリタス女子中学校の過去の入試問題になります。 【問題】Aさん,Bさん,Cさん,Dさんの4人がそれぞれある整数をほかの人にはわからないように選び、その整数について次のように言いました。 […]

1~13の数字が1つずつ書かれたカードがそれぞれ4枚ずつ,合計52枚あります。26人のクラスで,1人に2枚ずつカードを配り,2枚のカードの合計を点数としました。(1) 合計点のうち,最も低い点数は何点ですか。(2) 合計 […]

答えはこちら キケロのつぶやき 自転車のブレーキについて アメリカの自転車に乗る時、いつも気になることですが、なぜ日本の自転車とブレーキが逆なのかという事です。日本は右手ブレーキがフロント、左手ブレーキがリアになっていて […]

おすすめ記事

スポートを物語る

by Jun 東京在住の52歳。ランニングを始めたのは25歳です。当時はヘビースモーカーで、「ランニングをして肺がゼエゼエ苦しくなったら、さすがに身体が『タバコをやめよう』と感じるのでは?」と思ったのがきっかけです。夜、 […]

ウォルマートやターゲット、コストコやメイシーズなどの量販店に行くと、エントランスやレジ付近にカスタマーサービスがありますよね。特に、最も個人消費が伸びるホリデーシーズン後のカスタマーサービスは行列で溢れかえります。これ、 […]

世界史雑談(ヒストリー サイド トリップ)

歴史上の人物の顔を見て「イケメンだ」と思ったことはないでしょうか。現在の女性が格好いい男性に憧れるように、昔の女性も「イケメン」に熱狂しました。その「イケメン」が現実に世界を変えるような活躍をしていたら。憧れを超えて心酔 […]

新着記事

お笑い芸人パックンのめっちゃポジティブになれるお悩み相談室

日本で友達を作るのはむずかしい!? パックンさん、こんにちは。東京在住7年目のアメリカ人です。日本では友達が作りにくいと感じています。日本語はそれなりに喋れますし、日本人と一緒に仕事もしますが、彼らは自分を「外国人扱い」 […]

CATCH UP! COSMETICS

高級デパートまで、さまざまな商品が揃っています。 数ある中から、最強で魅力的なデオドラント製品をご紹介します。是非お試しください。 デオドラントは制汗効果も高く、香りを楽しむタイプのものが豊富なので、好みの香りで一日中フ […]

CATCH UP! COSMETICS

夏の強烈な紫外線ダメージで毛穴が弱ったまま、乾燥の季節を迎えるのは超危険!今回は男女共通の悩みである、毛穴トラブルの対処法について紹介します。 厳しかった夏の日差しも、秋風とともに和らいできた今日この頃。夏の過酷な紫外線 […]

春光~さつまいも練り切り

みなさま、こんにちは。春の陽気がここちよいですね。昨年末「菓銘をもつ生菓子(練り切り)」が、文化庁「登録無形文化財」となりました。和菓子には、団子や羊羹という種類の名前のほかに、「菓銘」という「名前」が付けられているもの […]

あけましておめでとうございます。新年を晴々しい気持ちで迎えられたことと思います。本年もアメリカで楽しめる和菓子のレシピやエッセイをご紹介させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。 お正月がすぎると寒の入り。 […]

みなさま、いかがお過ごしでいらっしゃいますか。11月、霜月となりました。今年も残すところわずかですね。日に日に寒暖の差も激しくなってきますので、今号では温かい和風スフレのレシピをご紹介します。スフレは17世紀のフランスで […]

みなさま、こんにちは。まだ暑さの残る日もありますが、少しずつ秋を感じるようになりましたね。和菓子も葛や寒天を使ったものは終わり、秋のものが並びはじめます。秋の花は数ありますが、この時期、一番使われるのはやはり「菊」でしょ […]

冷やし抹茶しるこ

みなさま、こんにちは。七月に入り、本格的な夏の到来を感じますね。大気は蒸し暑く、大地が潤う夏。こんな汗ばむ陽気には、冷たいお茶とデザートが恋しくなりますね。今号では、のどをひんやり潤わす「冷やし抹茶しるこ」のレシピをご紹 […]