You are currently viewing 歴史と女性のハートを動かしたイケメンたち

歴史と女性のハートを動かしたイケメンたち

世界史雑談 ヒストリーサイドトリップ Vol.01
歴史と女性のハートを動かしたイケメンたち
by 尾登 雄平
世界史雑談(ヒストリー サイド トリップ)

歴史上の人物の顔を見て「イケメンだ」と思ったことはないでしょうか。現在の女性が格好いい男性に憧れるように、昔の女性も「イケメン」に熱狂しました。その「イケメン」が現実に世界を変えるような活躍をしていたら。憧れを超えて心酔してしまうかもしれません。

世界史上そんな「イケメン」は多いのですが、今回は3人ご紹介します。

「ハゲの女たらし」ユリウス・カエサル

ユリウス・カエサルは共和制ローマの政治家・軍人。巨大化し機能不全を起こしていた共和制ローマの政治制度を帝政へと変革した人物です。スラヴ語圏では皇帝のことをツァーリと言いますが、その語源は「カエサル」です。

カエサルは「女たらし」として有名でした。元老院議員の妻の3分の1を寝取ったと噂があるほどです。彼は頭髪が後退しており、外見が優れているというわけではなかったのですが、話し上手で筆まめで、遠い戦場からも女たちへ情熱的な手紙を送りました。

当時の軍隊の凱旋式では、軍団兵たちが将軍をからかう野次を飛ばす習慣がありましたが、カエサルのそれは「夫たちよ、妻を隠せ! ハゲの女たらしのお通りだ!」だったそうです。

ユリウス・カエサル

「イケメン革命家」チェ・ゲバラ

チェ・ゲバラはキューバ革命を成し遂げた革命家です。現在でも反権力の象徴で、彼の指導力、言葉の重み、実践する行動力は、「権力への抵抗」の生き方そのものであり、多くの人たちが崇拝してやみません。

ゲバラの肖像がアイコン化されているように、その容姿は控えめに言って「イケメン」です。かなり女性にモテたと思われますが、彼自身は生涯妻を一途に愛しました。

女好きではあったようで、かつてこのように述べています。

酒は飲まない。タバコを吸う。女を好きにならない位なら、男を辞める。だからと言って、あるいはどんな理由であっても、革命家としての任務を全う出来ないのなら、僕は革命家を辞める。

こんなことをサラッと言うと、ますます女性にモテそうです。

「ロマン詩人」ジョージ・ゴードン・バイロン

バイロンはイギリス・ロマン主義を代表する詩人です。19世紀前半のイギリスのご都合主義を批判し、世界の文学界に多大な影響を与えました。

バイロンは恋多き男として当時から有名で、関わった女を多く不幸に追いやったことで批判されました。キャロライン・ラムはバイロンにふられた後、憔悴して骨と皮だけになり、マルガリータ・コーニはバイロンに自宅から追い出された後、絶望のあまり運河に身を投げて自殺しています。

バイロンは何人もの女を狂わせておきながらも、恋に達観したような格言をいくつか残しています。

男の恋は生涯の一部だが、女の恋は全生涯だ。『ドン=ジュアン』

女は最初、恋人を恋するが、次からは恋を恋する。『愛の幻滅』

現在こんなことを言ったら大炎上しそうですが、バイロンの情熱的な作品と、作品をそのままアウトプットしたような彼の生き方を象徴しているようです。

ジョージ・ゴードン・バイロン

Writer’s Profile

尾登 雄平
尾登 雄平
ブログ「歴ログ-世界史関連ブログ-」や、YouTubeでの活動を中心に、面白い世界史のネタを集める。2022年11月、新著「働き方改革の人類史」(イースト・プレス)発売。

関連記事

世界史雑談(ヒストリー サイド トリップ)

エジソンやベルのような技術者たちが現代のテクノロジー社会を作ってきたように、食に生涯を捧げた料理人たちによる探求が現代の食文化を作ってきました。食の歴史に名を残す有名シェフたちを紹介します。 ルネサンス料理の代表的シェフ […]

世界史雑談(ヒストリー サイド トリップ)

おせち料理の数の子が縁起物とされるように、かつて子どもは多ければ多いほど良いとされ、多産は幸福の象徴とみなされました。歴史上には、子どもを考えられないほどたくさん儲けた国王たちがいます。 チンギス・カンの推定子ども人数は […]

世界史雑談(ヒストリー サイド トリップ)

誕生日には必ず「♪ハッピーバースデー トゥーユー」で始まる歌を歌います。アメリカや日本だけでなく、割とどこの国でも歌われる、大変に普及した曲です。しかしこの歌は2015年までワーナー・ミュージック社に著作権があったのをご […]

次のそれぞれの組に反対のことばを補って慣用句を完成させなさい。 ただし、□や〇の数は、入ることばの文字数を表します。 1 頭が□□□ 腕が〇〇〇 2 腰が□□□ 鼻が〇〇〇 3 心が□□□ 歯が〇〇 4 耳に□□□ あご …

皆さん、お正月はお子さんと書き初めをしましたか? 先日息子の通う補習校で書き初め大会がありました。様子を見ていると、子ども達は初めての習字でワクワクしています。一方、親はせっかくの習字のチャンスだからと気合が入り、「そこ […]

世界史雑談(ヒストリー サイド トリップ)

歴史上の人物の顔を見て「イケメンだ」と思ったことはないでしょうか。現在の女性が格好いい男性に憧れるように、昔の女性も「イケメン」に熱狂しました。その「イケメン」が現実に世界を変えるような活躍をしていたら。憧れを超えて心酔 […]

今回は、海城中学の入試から図形問題の出題です。中学入試問題ですが、中学生にもぜひ解いてもらいたい問題です。 [問題] 次の図において、三角形CEFの面積は何㎠ですか。 答えはこちら キケロのつぶやき たまねぎ 日ごろ私た […]

【問題】下の図は東京の市場に届くキュウリの月別・産地別の入荷実績を示したものです。図中のA~Cにあてはまる県名の組み合わせとして正しいものを選びなさい。 (麻布中2021) 答えはこちら キケロのつぶやき ワールドカップ […]

今回は文章から正誤を考える問題です。カリタス女子中学校の過去の入試問題になります。 【問題】Aさん,Bさん,Cさん,Dさんの4人がそれぞれある整数をほかの人にはわからないように選び、その整数について次のように言いました。 […]

1~13の数字が1つずつ書かれたカードがそれぞれ4枚ずつ,合計52枚あります。26人のクラスで,1人に2枚ずつカードを配り,2枚のカードの合計を点数としました。(1) 合計点のうち,最も低い点数は何点ですか。(2) 合計 […]

答えはこちら キケロのつぶやき 自転車のブレーキについて アメリカの自転車に乗る時、いつも気になることですが、なぜ日本の自転車とブレーキが逆なのかという事です。日本は右手ブレーキがフロント、左手ブレーキがリアになっていて […]

おすすめ記事

ウォルマートやターゲット、コストコやメイシーズなどの量販店に行くと、エントランスやレジ付近にカスタマーサービスがありますよね。特に、最も個人消費が伸びるホリデーシーズン後のカスタマーサービスは行列で溢れかえります。これ、 […]

スポートを物語る

by Jun 東京在住の52歳。ランニングを始めたのは25歳です。当時はヘビースモーカーで、「ランニングをして肺がゼエゼエ苦しくなったら、さすがに身体が『タバコをやめよう』と感じるのでは?」と思ったのがきっかけです。夜、 […]

世界史雑談(ヒストリー サイド トリップ)

歴史上の人物の顔を見て「イケメンだ」と思ったことはないでしょうか。現在の女性が格好いい男性に憧れるように、昔の女性も「イケメン」に熱狂しました。その「イケメン」が現実に世界を変えるような活躍をしていたら。憧れを超えて心酔 […]

新着記事

お笑い芸人パックンのめっちゃポジティブになれるお悩み相談室

海外で暮らすと空気が読めなくなる…!? パックンに相談です。先日、5年間のアメリカ生活を終えて日本に帰国したのですが、海外生活が長かったせいか日本人特有の「空気を読む」ことが難しくなっています。会食中に「最後の一個残し」 […]

お笑い芸人パックンのめっちゃポジティブになれるお悩み相談室

日本で友達を作るのはむずかしい!? パックンさん、こんにちは。東京在住7年目のアメリカ人です。日本では友達が作りにくいと感じています。日本語はそれなりに喋れますし、日本人と一緒に仕事もしますが、彼らは自分を「外国人扱い」 […]

CATCH UP! COSMETICS

高級デパートまで、さまざまな商品が揃っています。 数ある中から、最強で魅力的なデオドラント製品をご紹介します。是非お試しください。 デオドラントは制汗効果も高く、香りを楽しむタイプのものが豊富なので、好みの香りで一日中フ […]

CATCH UP! COSMETICS

夏の強烈な紫外線ダメージで毛穴が弱ったまま、乾燥の季節を迎えるのは超危険!今回は男女共通の悩みである、毛穴トラブルの対処法について紹介します。 厳しかった夏の日差しも、秋風とともに和らいできた今日この頃。夏の過酷な紫外線 […]

春光~さつまいも練り切り

みなさま、こんにちは。春の陽気がここちよいですね。昨年末「菓銘をもつ生菓子(練り切り)」が、文化庁「登録無形文化財」となりました。和菓子には、団子や羊羹という種類の名前のほかに、「菓銘」という「名前」が付けられているもの […]

あけましておめでとうございます。新年を晴々しい気持ちで迎えられたことと思います。本年もアメリカで楽しめる和菓子のレシピやエッセイをご紹介させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。 お正月がすぎると寒の入り。 […]

みなさま、いかがお過ごしでいらっしゃいますか。11月、霜月となりました。今年も残すところわずかですね。日に日に寒暖の差も激しくなってきますので、今号では温かい和風スフレのレシピをご紹介します。スフレは17世紀のフランスで […]

みなさま、こんにちは。まだ暑さの残る日もありますが、少しずつ秋を感じるようになりましたね。和菓子も葛や寒天を使ったものは終わり、秋のものが並びはじめます。秋の花は数ありますが、この時期、一番使われるのはやはり「菊」でしょ […]

尾登 雄平

ブログ「歴ログ-世界史関連ブログ-」や、YouTubeでの活動を中心に、面白い世界史のネタを集める。2022年11月、新著「働き方改革の人類史」(イースト・プレス)発売。