
歴史上の人物の顔を見て「イケメンだ」と思ったことはないでしょうか。現在の女性が格好いい男性に憧れるように、昔の女性も「イケメン」に熱狂しました。その「イケメン」が現実に世界を変えるような活躍をしていたら。憧れを超えて心酔してしまうかもしれません。
世界史上そんな「イケメン」は多いのですが、今回は3人ご紹介します。
「ハゲの女たらし」ユリウス・カエサル
ユリウス・カエサルは共和制ローマの政治家・軍人。巨大化し機能不全を起こしていた共和制ローマの政治制度を帝政へと変革した人物です。スラヴ語圏では皇帝のことをツァーリと言いますが、その語源は「カエサル」です。
カエサルは「女たらし」として有名でした。元老院議員の妻の3分の1を寝取ったと噂があるほどです。彼は頭髪が後退しており、外見が優れているというわけではなかったのですが、話し上手で筆まめで、遠い戦場からも女たちへ情熱的な手紙を送りました。
当時の軍隊の凱旋式では、軍団兵たちが将軍をからかう野次を飛ばす習慣がありましたが、カエサルのそれは「夫たちよ、妻を隠せ! ハゲの女たらしのお通りだ!」だったそうです。

「イケメン革命家」チェ・ゲバラ
チェ・ゲバラはキューバ革命を成し遂げた革命家です。現在でも反権力の象徴で、彼の指導力、言葉の重み、実践する行動力は、「権力への抵抗」の生き方そのものであり、多くの人たちが崇拝してやみません。
ゲバラの肖像がアイコン化されているように、その容姿は控えめに言って「イケメン」です。かなり女性にモテたと思われますが、彼自身は生涯妻を一途に愛しました。
女好きではあったようで、かつてこのように述べています。
酒は飲まない。タバコを吸う。女を好きにならない位なら、男を辞める。だからと言って、あるいはどんな理由であっても、革命家としての任務を全う出来ないのなら、僕は革命家を辞める。
こんなことをサラッと言うと、ますます女性にモテそうです。

「ロマン詩人」ジョージ・ゴードン・バイロン
バイロンはイギリス・ロマン主義を代表する詩人です。19世紀前半のイギリスのご都合主義を批判し、世界の文学界に多大な影響を与えました。
バイロンは恋多き男として当時から有名で、関わった女を多く不幸に追いやったことで批判されました。キャロライン・ラムはバイロンにふられた後、憔悴して骨と皮だけになり、マルガリータ・コーニはバイロンに自宅から追い出された後、絶望のあまり運河に身を投げて自殺しています。
バイロンは何人もの女を狂わせておきながらも、恋に達観したような格言をいくつか残しています。
男の恋は生涯の一部だが、女の恋は全生涯だ。『ドン=ジュアン』
女は最初、恋人を恋するが、次からは恋を恋する。『愛の幻滅』
現在こんなことを言ったら大炎上しそうですが、バイロンの情熱的な作品と、作品をそのままアウトプットしたような彼の生き方を象徴しているようです。

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