
おせち料理の数の子が縁起物とされるように、かつて子どもは多ければ多いほど良いとされ、多産は幸福の象徴とみなされました。歴史上には、子どもを考えられないほどたくさん儲けた国王たちがいます。
チンギス・カンの推定子ども人数は千人〜2千人
モンゴル帝国を築いた英傑チンギス・カンは、その征服戦争の過程で三千人以上もの妻を娶りました。妻たちに産ませた子どもは少なくとも千人、多い場合は二千人とも言われます。
二千人以上も子どもを儲けるにはおそらく10代から65歳で死ぬまで相当頑張って子作りをしないと不可能で、少し脚色されている部分もあるかもしれません。しかしチンギス・カンが大量の子孫を残したのは確かなことです。現在チンギス・カンの男系子孫は世界に千六百万人も存在するそうです。モンゴル帝国は領土で世界を制しましたが、生物としても世界を制しているわけです。

「英雄色を好む」は本当だった?
モロッコにあったアラウィー朝の第四代スルタン、ムーレイ・イスマーイルは、「戦士王」とあだ名がつけられたほど戦いに明け暮れ、残虐な王として知られますが、その絶倫っぷりでも有名です。子どもの数は諸説あり、少ない説でも888人。1704年にモロッコを訪れたドミニコ・バスノフという人物は、ムーレイ・イスマーイルには妻4人、妾500人、子どもが1171人いると記録しています。

「英雄色を好む」の例は事欠きません。ポーランド=リトアニア共和国の国王及びザクセン選帝侯アウグスト二世は、「強健王(Mocny)」というあだ名で知られます。その名の通り怪力で、素手で蹄鉄をぶち破ったというエピソードがあります。
同時代の人物の証言によると、アウグスト二世は大変な女好きのプレイボーイで、ポーランドやザクセンのみならず、外遊先でも美人を見つけては自室に連れ込むのを好み、365人〜382人の子を作ったと言われています。ただしこれはアウグスト二世の英雄ぶりを脚色した伝説である可能性が高いようです。

20世紀にもいた子だくさんの王たち
つい最近まで子だくさんの王たちはいました。
その代表的な例はサウジアラビア王家です。サウジアラビア王家は、多額の石油マネーで超絶リッチな生活をおくれる上に、イスラム法で認められた一夫多妻制のもとでたくさん妻を抱えることが許されます。第二代サウジアラビア国王サウード一世は子だくさんで知られ、公式には人数は明らかになっていませんが、一説によると52人の息子と54人の娘、合計106人の子がいるそうですが、115人という説もあります。
サウジアラビアほどリッチな国でなくても子だくさんの王もいます。
南部アフリカにあるエスワティニ王国の現国王ムスワティ三世の父ソブーザ二世は、大小含め王国各地の部族の娘を娶ったため、70人の妻がいたと言われています。そして妻たちとの間に儲けた子どもは210人にも上ったと報告されています。ソブーザ二世が亡くなったのは1982年のことです。

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