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自らの主張や発明品に「裏切られて」死んだ人たち

世界史雑談 ヒストリーサイドトリップ Vol.06
自らの主張や発明品に「裏切られて」死んだ人たち
by 尾登 雄平
世界史雑談(ヒストリー サイド トリップ)

このライフスタイルが健康にいい!この製品が便利! そんな主張をする人たちは世にあふれています。ところが、自らのその主張を盛大に反証して死んでしまった、まことに残念な人たちがいます。

セグウェイ社のオーナー、セグウェイ運転中に崖から落ち死亡

電動立ち乗り二輪車のセグウェイは、体を傾けるだけでコントロールできる直感的な操作性が売りの乗り物です。2010年9月、セグウェイを製造する会社のオーナー、ジェームズ・ヘゼルデンが、イギリス・ヨークシャー州の自宅近くでセグウェイ運転中にバランスを崩し、高さ約9メートルの崖から川に転落し、死亡しました。

オーストリアの発明家 自分の発明品の実験で死亡

オーストリア・ウィーン生まれの発明家フランツ・ライヒェルトは、高いところから飛び降りても無事なスーツを発明することに命を燃やしていました。これは現在のパラシュートと同じ原理ですが、20世紀前半はまだ最適なデザインが発見されていませんでした。1912年2月、パリのエッフェル塔の上からパラシュートの実験をする許諾を得たライヒェルトは、自分自身が実験台になると主張。運悪くパラシュートは開かず、ライヒェルトは地上に墜落して死亡しました。

オーガニックフードを提唱した男 心臓病で死亡ザ・ハンベール

アメリカでオーガニックフードの健康法を発明したのは、J・I・ロデールという人物です。彼は虚弱体質だった自分の健康をオーガニックフードで回復した経験から、公演や著作活動を通じて有機農業と有機栽培の普及を図りました。ところが1971年6月8日の夜、72歳のロデールはテレビ番組に出演中に倒、救急車で病院に搬送されるも死亡しました。原因は高コレステロールやカロリー摂取過剰による心臓病でした。

反ヘルメット法団体の男 頭部を強く打ち死亡

2011年7月、ニューヨークのバイク愛好家グループが、州の「ヘルメット着用義務化」に抗議する目的で、ノーヘルメットで抗議走行をする活動を行いました。ヘルメットの義務化はバイカーの自由を奪い、バイカー魂を冒涜する愚かな行為である、との主張です。ところが、メンバーの1人フィリップ・A・コントスが走行中に転倒。コンクリートの歩道に強く頭部を打ち死亡しました。医師は「ヘルメットを着用していれば助かったのに」と述べました。

ジョギングの提唱者 ジョギングのし過ぎで死亡

アメリカ人のジム・フィックスは、ダイエットのために毎日ランニングをしたところ、27キロの減量に成功しました。彼はこの成功を1977年に本にして出版した後、大きな話題になりました。フィックスはテレビ出演や雑誌のインタビューなどに引っ張りだこになり、全米でジョギングブームが発生しました。
ところが、フィックスが52歳のある日にジョギングをしていたところ、突然倒れそのまま死亡しました。死因は心筋梗塞で、ジョギングのし過ぎで心臓に負担をかけていたのが原因でした。

Writer’s Profile

尾登 雄平
尾登 雄平
ブログ「歴ログ-世界史関連ブログ-」や、YouTubeでの活動を中心に、面白い世界史のネタを集める。2022年11月、新著「働き方改革の人類史」(イースト・プレス)発売。

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