by Naofumi & Shirley

私日本出身の僕とマレーシア出身のシャーリーが出会ったのは、大都会のニューヨークでもシカゴでもなく、信号機がたった二つしかないミシガン州のど田舎だった。土曜日の教会礼拝後の昼食会で僕らは出会った。月に一回、東南アジア教会として複数の教会が集まる。友人が「周辺で一番の昼食会だ!」と僕をその教会に誘ってきた。「僕はジャパニーズで東南アジアの食事はそこまで好きではないんだけど、、。」と言いつつも、その昼食会に参加した。食べ物が大好きな僕は、お皿に食べ物をよそう際に自然に笑顔が溢れてしまっていたようだ。シャーリーはそんな、笑顔で食事をよそう僕を見て好印象を抱いたらしい。文化が違えば感覚も違う。何が女性のツボをくすぐるのか、僕は未だによく分からない。
私日本出身の僕とマレーシア出身のシャーリーが出会ったのは、大都会のニューヨークでもシカゴでもなく、信号機がたった二つしかないミシガン州のど田舎だった。土曜日の教会礼拝後の昼食会で僕らは出会った。月に一回、東南アジア教会として複数の教会が集まる。友人が「周辺で一番の昼食会だ!」と僕をその教会に誘ってきた。「僕はジャパニーズで東南アジアの食事はそこまで好きではないんだけど、、。」と言いつつも、その昼食会に参加した。食べ物が大好きな僕は、お皿に食べ物をよそう際に自然に笑顔が溢れてしまっていたようだ。シャーリーはそんな、笑顔で食事をよそう僕を見て好印象を抱いたらしい。文化が違えば感覚も違う。何が女性のツボをくすぐるのか、僕は未だによく分からない。
日本は食事のテレビ番組が多いし、栄養に関しても様々な知識で溢れている。日本にいた頃、テレビでみのもんたが丁寧に、朝食にカリウムが豊富なバナナを食べることの大切さを力説していたのを今でも覚えている。結婚当初から、料理はできる方がするというスタンスだが、炭水化物の量を制限する、栄養バランスを考える、という点においてはやはり感覚が違う。ビタミンやミネラルを考えたり、味噌や納豆などの発酵食品を取り入れることを意識する僕の横で、子供にポップコーンを与えているシャーリーを見た時に衝撃を受けた。それに突っ込むと「でも、ポップコーンはファイバー(食物繊維)が豊富なのよ。」と言われ「そういう問題なのか? フレンチフライは野菜であるというのと同じ論理だ。俺は騙されないぜ! 食物繊維が豊富なシリアルが健康的だとか言い出すんだろ? あくまで加工食品なんだ! それを忘れちゃいけないぜ!」と揉めたのを覚えている。
義母が訪問しようものなら、更に大変だ。「食べろ、食べろ。」とやたらに食事を勧めてくる。こんなに食べきれないよ、という量の食べ物が出てくる。しかも、日本人に囲まれていれば「食べ過ぎじゃない?」という視線を感じて抑制が効くが、食べることが良しとされているこの文化では、僕の食欲にも拍車がかかる。何気ない焼きそばやチャーハンが妙に美味しいので「炭水化物ばっかりで参っちゃうよ。」とぶつぶつ言いながら、それでもお代わりに手が伸びる自分が恨めしい。親戚訪問の後は減量に励むのがお決まりだ。体重調節が容易ではない年齢になってきているので改革が必要か!?
ただ、結婚12年目にもなり、お互いに歩み寄ってきているので今は驚くことはない。9歳になる息子が納豆を好きだと言ってパクパク食べてくれるのは嬉しいが、子供たちは二人ともサンドイッチやピザのようなアメリカンな食事をしたがる。手作りのパンや焼き菓子を食べてくれるのがせめてもの救いだ。なんとかおからを食べてもらおうとクッキーに混ぜたり、日本人主婦のようなことを週末や早く帰宅した際にはしている。今日も「納豆食べて100歳まで生きよう!」と叫ぶ父と、食事に対して柔軟な考え方の母の元、二人の愛らしい子供たちはおやつにお菓子を食べながら今日もすくすくと成長している。

Writer’s Profile

Naofumi
U.S. Navy Chaplainとして5年間勤務。食べ物なら作るのも食べるのも大好きな在米20年のパパ。体重キープのため万年ダイエット中。YouTubeの筋トレ動画が大好き。

Shirley
マレーシア出身の華人。10歳の時に家族と米中西部に移住。看護師として9年間働き、今はホームスクールで大忙しの2児のママ。
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