You are currently viewing I Love You は一日10回以上。レディファーストの世界へようこそ。

I Love You は一日10回以上。レディファーストの世界へようこそ。

  • 投稿者:
  • 投稿カテゴリー:ライフ
笑顔と忍耐のパパ日記〜奥さまは外国人〜 Vol.06
I Love You は一日10回以上。レディファーストの世界へようこそ。

by NOBUNAGA & MERRY

笑顔と忍耐のパパ日記〜奥さまは外国人〜

40年以上前のアメリカ駐在中、私は恋に落ちました。とある銀行の窓口で働いていた女性がものすごく美しく、私の不慣れな英語にもとても優しく対応してくれたのです。理由もなく何度もその銀行に通い、ついに勇気を振り絞ってデートに誘ったものの、初デート後にあっさり振られました。思い返せばデート中、私は奥のソファ席に座り、先に自分が注文し、自分の話だけをあーだこーだとし、身勝手な行動ばかりでした。一方、ライバルのアメリカ人男性は、長身でイケメン、そして積極的に自分をアピールする。そんな彼らと張り合う私は、硬派を気取り、礼儀正しく、自己主張などしない日本男児こそイケてる、と思っておりました。アメリカ人男性の同僚に相談したところ、「そりゃだめだね」と、バッサリ。同僚曰く、そんな「俺は背中で語るぜっ!」みたいなのはアメリカ人女性には受けないし、理解もされない、と。

その日から、特訓が始まりました。レディファーストの振舞い方を徹底的に研究し、同僚から色んな作法を学びました。今の若い男性なら当たり前に行っている、初歩的なレディファースト作法。ですが40年前の日本人男性にはハードルが高く、慣れるのに相当時間がかかりました。

その後、私は彼女に再アタックしました。まずは食事に誘い、車のドアを開け、レストランでは椅子を引いて、彼女の家族や生い立ちに興味を持って話を聞き、彼女のスピードに合わせてゆっくり食べ、その後買い物に連れていき荷物を持ちました。その次のデートからは、必ず花をプレゼントしました。そして何度かデートを重ね、ついに!その女性、今の妻と結婚できました。

駐在の任期終了後、妻を連れて帰国しましたが、外国人が日本に住んでいるだけで珍しがられる時代。レディファーストに振舞う私を皆は笑っていたでしょう。でも妻は人前でも堂々とキスしたり、片言の日本語で「アイシテマスヨ、ダーリン」と大声で言ったりして、わざと周りを惑わしておりました。私も満更でもなく、幸せな結婚生活を送っていました。

そんな私たちの一人息子(編集部注:3月号のパパ日記に登場したマッシュさん)は、小さな頃から妻にレディファーストの作法を教え込まれ、小学校高学年の頃には、妻だけでなく近所の主婦達や女の子のお友達にも、大人顔負けの立派な紳士として振舞うようになりました。今も、息子は常に私より母親の味方。記念日には高級バッグなどをプレゼント。(父の日は電話一本だけ)。12年前には西洋人と結婚し、現在は8歳になる孫娘が、レディファーストのすべての恩恵を一身に受けています。

漫画/ももひら
漫画/ももひら

Writer’s Profile

NOBUNAGA

NOBUNAGA

45年前に商社マンとして米国駐在。高度経済成長期にロシア、オーストラリアにも勤務し、日本ブランドの世界展開に取り組む。米国在住の孫娘に会うのが楽しみ。今後は妻と二人、沖縄でゆっくりと過ごす予定。

MERRY

MERRY

ラテン系アメリカ人。結婚後に日本へ移住。カラオケが好きで、ウニが大好物。日本に40年以上住んでいるが、敬語を使うのは苦手。間違えた時は少しベロを出して笑顔でお詫びすれば、大体許されると思っている。

関連記事

スポートを物語る

by Satsuki 仕事を辞めて駐在妻になる! そう決めたのは私自身なのに・・・ だんだん失っていく自信と自分に対するアイデンティティ。 これから先、私の人生はどうなるんだろう。 不安に押しつぶされそうになっていたのは […]

日本ではオレオレ詐欺などに代表される、電話を使った詐欺。アメリカにもいっぱいあります。むしろ頻度は米国の方が酷いかも?引っ越してきたばかりの頃は、状況が理解できず詐欺の被害に遭ってしまう方もいらっしゃるので注意が必要です […]

日本では、子供の頃から食に関してはしっかり躾けられ、大人になっても自炊や栄養バランスについて自分で考えられるよう教えられます。しかしアメリカではみなさんお気付きの通り、食に関する感覚がかなり違います。今回はアメリカの食育 […]

スティーブン曽我が語るファイナンシャル

資産の管理と形成を考えたとき、投資における税金の影響を理解しておくことは大切なポイントです。3つのキーワードをご紹介しましょう。「Before-Tax(課税前)」「After-Tax(課税後)」「Roth(無課税)」。投 […]

Q TiME編集長のお気に入りガジェット

筆者が今まで試してきた歴代ヘッドフォンの中で、ダントツに重低音が頭に響くのが、このSkullcandyのCrusher Evo。このヘッドフォンが、他の重低音をウリにしているものと一線を画している点、それは、小型サブウー […]

A Trip Down Memory Lane

夏休みといって真っ先に思い出すのは、決まって兄と二人で通った朝のラジオ体操だ。とはいえ、特別ラジオ体操が好きだったわけではない。だから、体育の授業のはじまりに毎回準備運動がわりに行うラジオ体操も、どちらかと言うとおざなり […]

悔いのない自分を生きるために 「自分軸」という言葉って、聞いたことありませんか? よく自己啓発の分野で見聞きすると思います。自分軸とは何かというと『自分の価値観を持ち、それに基づいて行動すること』です。言葉にすると簡単に […]

日本語de不動産のプロに聞いてみました

Q: ぶっちゃけオハイオの不動産ってどのくらい儲かるんですか? A: 2012年8月24日に購入したダブリンの戸建て、購入に要したお金$66,409。キャピタルゲインが①現在のエクイティ(純資産:価値-ローン残高)$19 […]

スポートを物語る

by 野口武 フラを踊っている」と告げると、決まってこんなリアクションが返って来ます。まず手で波の動きをしながら、「腰、振ってるの?」とか、「裸で踊るの?」とか、異世界の住人を見るかのような驚きの表情で聞いてくるのです。 […]

今回は、クレジットカード大国アメリカならではの現象をご紹介。みなさん、アメリカ生活ではクレカ使っていますか?また、現金は持ち歩いていますか? 今時の子供たちは現金がよくわかっていない? 小学校では一応紙幣や貨幣のお勉強は […]

心が傷つくその前に 長年ネットの悩み相談活動を続けてきた中で、肌でひしひしと感じていることがあります。それは「本当に沢山の人が、悪意ある人の言動に苦しめられている」という事実です。イジメ行為、もっと細かく言えば悪口、陰口 […]

スポートを物語る

by シュウ0 あなたはビリヤードをしたことはありますか? 55歳の私の母が会社員だった約35年前、ビリヤードはとてもメジャーなスポーツだったそうです。しかし現在、私の周りでビリヤードに通っている人は一人もいません。「ビ […]

おすすめ記事

漁師という生き方

九州南部のとある漁師町。県全体の7割もの漁獲量を誇り、天然の良港に恵まれた町がある。最寄りの駅からは、峠を越えて、くねくねしたリアス式海岸沿いの道を車で走らせること30分。穏やかな海に囲まれた漁港のそばで、何隻もの漁船が […]

お笑い芸人パックンのめっちゃポジティブになれるお悩み相談室

海外で暮らすと空気が読めなくなる…!? パックンに相談です。先日、5年間のアメリカ生活を終えて日本に帰国したのですが、海外生活が長かったせいか日本人特有の「空気を読む」ことが難しくなっています。会食中に「最後の一個残し」 […]

まるごとレモンでビタミンチャージ! ビタミンCの代表選手とも言えるレモン。レモンの爽やかな酸味と香りは、お料理を引き立たせてくれるだけでなく、風邪の予防など健康に嬉しい栄養素も含まれています。レモンは色々なお料理に使える […]

私は、所属しているU.S. armyからの辞令で、テキサスにある基地に転勤となり、2020年に3年の予定でコロラド州のデンバーからテキサス州コーパスクリスティに越してきました。コーパスクリスティはテキサス州で8番目の都市 […]

スポートを物語る

by サイラス・リュウイチ・トラン サッカーは、多くの人に開かれたスポーツです。私は、プロサッカーチームのないハワイで生まれ育ちましたが、幼少の頃からボールを必死に追いかけて、プロサッカー選手になる夢を叶えました。そして […]

新着記事

日本ではオレオレ詐欺などに代表される、電話を使った詐欺。アメリカにもいっぱいあります。むしろ頻度は米国の方が酷いかも?引っ越してきたばかりの頃は、状況が理解できず詐欺の被害に遭ってしまう方もいらっしゃるので注意が必要です […]

世界史雑談(ヒストリー サイド トリップ)

現在日本では、ファッションや音楽、料理など、昭和レトロのカルチャーが流行っています。同様に、ネクタイもお父さんが締めていたようなクラシックなデザインがトレンドだそうです。そもそも、ネクタイにはどういう歴史があるのでしょう […]

初代タイガーマスク 佐山サトルが明かす秘話

世間との温度差 当時、いきなりスターになってどういう気持ちですか、とよく聞かれましたが、誰も私の身の上は知りませんでした。 慣れというのは恐ろしいもので、若干二十三歳であっても、三年間の海外修行を、ベビーフェイスでメイン […]

石田純一 1954年東京都生まれ。1972年NHKドラマでデビュー。80年代には、数々のトレンディードラマに出演し、絶大な人気を得る。ドラマや舞台、映画など多方面で活躍。2021年に始めたYouTubeチャンネル「じゅん […]

by ルーバル朋子 スペインの宣教師がカリフォルニアで最初のミッションを建てたことから、サンディエゴのオールドタウンはカリフォルニア生誕の地と呼ばれていることをご存知ですか? ミッションはカリフォルニアに21ヶ所建てられ […]

漁師という生き方

60歳をこえると、少しの風邪が平気で長引くようになる。発熱と咳、なかなか治らんなぁと思っていたら軽い肺炎だった。少し体調が良くなったかと思えば、今度は集中豪雨。海がしけては漁に出られない。体調と天候の悪化がかぶると、漁師 […]

女子神職として初めての祭事で失態を犯してしまった私は、当日はさすがに落ち込んだものの、そこから心身ともに逞しく成長していった。ある意味初めに失敗したことで、もう恐れるものは何も無いという気持ちになったのだ。 そのうち祈祷 […]

クスリのいろは

目薬 目薬を使う理由は、①目の病気で定期的に②アレルギーなどのかゆみに③コンタクトなどドライアイに④疲れ目に、などではないでしょうか。カナダの山火事の影響で、中西部~東部では空気が悪い状態が続いていると聞きました。例年の […]

スポートを物語る

by Satsuki 仕事を辞めて駐在妻になる! そう決めたのは私自身なのに・・・ だんだん失っていく自信と自分に対するアイデンティティ。 これから先、私の人生はどうなるんだろう。 不安に押しつぶされそうになっていたのは […]

世界史雑談(ヒストリー サイド トリップ)

新型コロナウイルスは2023年現在、かつてのような深刻な脅威ではなくなっています。その理由の一つには、迅速なワクチンの開発があります。かつて多くの命を奪った病気を、ワクチンによって撲滅させた偉大な医学者を紹介します。 「 […]

user

ユーザーのプロフィール文章。ユーザーのプロフィール文章。ユーザーのプロフィール文章。ユーザーのプロフィール文章。ユーザーのプロフィール文章。