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あなたの価値は“時計と同じ”

こころに響く言葉 Vol.04
あなたの価値は“時計と同じ”
by 古川 かつぜん

世界的に見て、日本人の“自己肯定感”は断トツで低い

このような話を聞いたことはないでしょうか?

自己肯定感とは『自分って価値があるな』と、自分をありのままに肯定できる感覚のことです。この感覚があることで、人は積極的に行動できるようになったり、心のバランスが安定したりして、前向きに人生を歩める状態になります。

…しかし、見過ごせない事実として「先進国の中でも、日本人の自己肯定感は断トツで低い」という調査結果があります。多くの日本人が“自分の価値”を肯定することができず、苦しい状態になってしまっているのです。

ありのままの価値を認めない日本の風潮

ではなぜ、日本には自己肯定感を持てない人が多いのでしょうか? これには様々な答えがありますが、その中の大きな一つが「“個性や違い”を認めない日本の価値基準」です。

誰もが世界にたった一人の「個性的な自分」として生まれてきます。それなのに、みな同じ「普通」を均一に目指すように教育されていきます。そして、自分の個性から「普通にできないこと」があったときに周りから評価されなくなり、人は『こんな自分では認められない、愛されない』と思い込むようになり、自分の存在の価値を肯定できなくなってしまうのです。…これが、日本の自己肯定感不足の原因です。

そんな“自己肯定感不足”を和らげてくれるエピソードをご紹介します。

あなたの価値は時計と同じ

死期が近い父親が息子にこう言いました。「…この時計は200年以上も前のもので、お前のおじいちゃんが私にくれたものだ。この時計をお前にやる前に、通りにあるお店に持って行って、これをいくらで買ってくれるか聞いてきてくれないか?」…息子は、時計屋へと走りました。

店に行って戻ってきた息子が父親に「時計屋さんは古いからって理由で、5ドルと言ったよ」と言うと、父親は「では、コーヒーショップに行ってきてくれ」と言いました。

コーヒーショップに行って戻ってきた息子が「…父さん、やっぱり5ドルだったよ」と言うと、父親は「じゃあ、美術館に行って時計を見せてきてくれ」と言いました。

美術館に行って戻ってきた息子は「100万ドルを提示してきたよ!! 」と言いました。…すると父親は、静かに言いました。

「正しい場所に行けば、お前の価値は正しく評価されるということをお前に伝えたかったんだよ」「だからいつでも自分を正しい場所に置きなさい。そして、そうでないときでも、自分の価値を見失ってはいけないよ」

すべての人には唯一無二の価値がある

このエピソードが教えてくれることは『今いる場所が全てと思わないこと』『今いる場所で下されている自分への評価が全てと思わないこと』そして『そんな場所で“自分には価値がない”なんて決して思い込まないこと』です。

“世界にたった一人の個性的な自分”には、普通にできないことがあって当然なのです。長所も短所もひっくるめて本当の自分です。人は、普通よりできるから愛されるのではありません。その人がその人らしく、個性を活かして、ありのまま生きているから愛されるのです。

“ありのままの価値”を大切にし合える場所や人間関係は、世の中に必ずあります。そこに身を置くことで、自己肯定感は必ず温まっていきます。

Writer’s Profile

古川 かつぜん
古川 かつぜん
文筆家、ライフアドバイザー。著書「心の免疫力のつくり方」Instagramを通じて執筆活動を続けフォロワー10万人を突破。これまで5000人以上の人生相談に乗る。自身の学びと経験を活かし、世代を超えて共有できる「人生を面白くする考え方」を提供している。

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文筆家、ライフアドバイザー。著書「心の免疫力のつくり方」Instagramを通じて執筆活動を続けフォロワー10万人を突破。これまで5000人以上の人生相談に乗る。自身の学びと経験を活かし、世代を超えて共有できる「人生を面白くする考え方」を提供している。