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不便を楽しむアメリカ横断ひとり旅

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  • 投稿カテゴリー:ライフ
スポーツを物語る Vol.06
不便を楽しむアメリカ横断ひとり旅

by YUTA

スポートを物語る
学生時代にTwitterで「ママチャリでディズニー来たった」という投稿がバズっていた。僕も真似をして、群馬からディズニーランドまでの往復250kmを2日間かけてママチャリで走破したのが、ママチャリ冒険の始まりだった。2021年にはママチャリで47都道府県を制覇するなど、長期間におよぶ自転車旅の感覚も掴んだ。そして更に大きな挑戦をと思い、今回ママチャリでアメリカ横断に挑戦することとなった。

ママチャリには合計40kg にもなる4つのバッグを前輪後輪の両側に積載。中には自炊用の調理器具、衣類、自転車修理道具、動画編集用のパソコンや充電機材、テント、寝袋なども持参した。

この横断は最短距離の5,000kmルートではなく、アメリカ最南端のキーウェストを経由する約10,000kmのルートを選択。人によっては罰ゲームに聞こえるルートかもしれない。地図を見てもらうと分かるけれど、アメリカ横断の旅なのに、NYのタイムズスクエアをスタート直後からいきなりアメリカ縦断し始めているので(笑)。

ただ僕が求めていた「その国の文化に触れる」「現地の人たちと交流する」という点では最適なルートだった。主要都市だけでなく南部や先住民エリアも通過することで、アメリカ文化の理解を深めることができた。また荷物をたくさん積んでいるので、スピードは時速10km程度しか出ない。でもこのスピードも「現地の人と交流する」という点では絶妙にちょうど良かった。

巷では自動運転車など最先端の乗り物が注目されつつあるけれど、どこにでも立ち寄ることができる自転車はものすごく魅力的な乗り物だと思う。キャンプ同様に、ハイテク化が進めば進むほどその反動から不便を楽しむ人が増えて、健康的な移動手段として自転車を選択する人はこれからも増えるだろう。

この旅で最も辛かったのは、ニューメキシコ州の州都サンタフェ付近にある標高2,500mの雪山での出来事。車が1台も通らない人気のない道を、雪が積もった中、自転車を押して歩き進んだ。気温はマイナス15℃、電波も入らず完全に孤独で本当に過酷な道のりだった。1日かけても20kmしか進まず、その日は仕方なくそこで野宿することに。持参していた5リットル分の水も全て凍結してしまい、夕飯は雪水を使って温めたレトルトカレー。翌朝、奇跡的にスノーモービルで遊んでいたご家族に遭遇し、水をいただき回復することができた。

この旅ではリアルタイムで動画を発信することにもこだわっていたので、日本人からもたくさんの応援メッセージををいただいた。やりたいことをやっているだけなのに、「動画から元気をもらっている」という声が本当に嬉しくて何度も励みになった。

さらにアメリカに住む日本人にも動画が届き、差し入れや宿泊までさせていただき感謝してもし尽くせない。

2月、無事にママチャリでアメリカ横断を達成。次は今年の夏にカナダ横断を計画中。僕の冒険はまだまだ続く。

Writer’s Profile

YUTA

30歳。長野出身。ママチャリ冒険家。
YouTube「YUTABI TV」
2021年ママチャリ日本一周を達成(47都道府県制覇)
2022年ママチャリアメリカ横断を達成

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