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Baltimore, Maryland, United States of America – September 6, 2016. The Inner Harbour of Baltimore, MD, with USCG Lightship Chesapeake historic ship, National Aquarium building, Power Plant building and other landmarks. View with commercial properties and people.

ブルークラブで乾杯![メリーランド州]

50 Ways to U.S. 50州を巡る Vol.03
ブルークラブで乾杯![メリーランド州]
by モーリン良子

メリーランド州は、ニューヨークから車で300キロほど南に向かったところにあります。ワシントンD.C.に隣接していることから、首都圏の住民はワシントニアンなどとも呼ばれています。ジョンズホプキンス大学や、アナポリスの海軍士官学校があります。地理的な特徴は、何といっても巨大な入り江のチェサピーク湾で、植民地時代から栄えたボルチモア港は、今でも重要な貿易の拠点です。インナーハーバーと呼ばれるエリアには水族館、科学美術館、子供美術館など、市民が楽しめる場所が幾つかあります。美しい港付近を歩いて観光ができるので、暖かい季節になると行きたくなる場所です。ウォータータクシーに乗って、観光がてら移動するのも楽しいですよ。

ボルティモアはメジャーリーグのオレオールの拠点です。夏の球場の雰囲気が大好きなので、毎年、シーズン中に一度は訪れます。カムデンヤードはレトロスタイルのレンガ造りがとても魅力的な球場です。

メリーランド州の名物と言えば、チェサピーク湾で獲れるメリーランドブルークラブ(青蟹)。小ぶりだけど、甘くてとっても美味しいカニです。個人的にはロブスターより美味しいと思います。小さい金づちならぬ木づちでガツンとカニの殻を割って、溶かしバターでいただきます。ビールとの相性は抜群で、考えただけでワクワクします。アナポリスからベイブリッジを渡り、ケントアイランドに行くと、ブルークラブ専門のレストランがいくつかあります。静かな入り江の美しい風景を見ながら、獲れたて、蒸したてのブルークラブを食べるのがお勧めです。冷たいビールもお忘れなく。

メリーランドは肥沃な土地で、植民地時代にはタバコの生産も盛んでした。数は少ないですが首都圏にも家族経営の農場がいくつかあり、春、夏、秋とイチゴ、ブルーベリー、リンゴ狩りが楽しめます。リンゴ狩りは毎年恒例でお友達家族と出かけます。実はあまり知られていませんが、ワイナリーもあり、秋はワイナリーで食べ物を持ち寄ってキャンプファイアーを囲み、地元のワインを飲みながらお友達家族と週末を過ごすこともあります。コロナ禍で屋内に集うことができなかったので、去年の秋はちょうど良かったです。ワインを買うと、無料でキャンプファイアーと場所を提供してくれるのが気に入っています。

メリーランド州に興味を持っていただけたら幸いです。ブルークラブ、是非食べに来てくださいね。

Writer’s Profile

モーリン良子
モーリン良子
神奈川県出身。外資系の銀行を辞めて渡米。ニュージャージー州立ラトガーズ大学を卒業後、メリーランド州の特殊教育免許取得。現在は自閉症児や情緒障害児専門の学校で小学生を受け持つ。

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