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アメリカの光と影 ルート66アメリカ横断

Route66に魅せられて Vol.01
アメリカの光と影 ルート66アメリカ横断
by Kanazawa Ken
Route66に魅せられて

ルート66はアメリカ初の大陸横断高速道路で、世界中の人々が一生に一度は訪れたいと願う伝説の道です。1985年に高速運転可能、かつ大量輸送のできる州間高速道路に取って代わられ、地図上からその大部分を消しつつもアメリカ文化と深く関わり、数多くの映画や小説、音楽、CM、PVに登場しています。本企画では、ルート66を知り尽くした写真家Ken Kanazawaが、その魅力と秘話を交えながら、伝説のハイウェイを案内します。是非みなさんも誌面を通して、または実際に現地を訪れて楽しんでください。

ルート66は、1960年代にモータリゼーションが花開き、アメリカ南西部の経済や産業発展の原動力となった歴史ある道路で、古き良き時代の景色や宿場町が今も多く残されています。

また、ファストフードやモーテルなど、今日のアメリカを代表するような文化の原型は、ルート66ができたことにより誕生し、発展していったのはご存じでしょうか?

廃線となった後も、根強いファンたちによって次々とルート66跡が発見され、昔のままの建物復旧作業などの保護活動が続き、歴史的に見ても、ルート66は古き良き時代の宝石箱なのです!

アメリカ大恐慌時代、マフィアのアルカポネが活躍した1926年11月11日に、ルート66の歴史は、イリノイ州シカゴから始まりました。8つの州と300以上の町を通過し、全長3755kmにおよぶアメリカのマザーロードと呼ばれた大陸横断道路は、最終地点のカリフォルニア州サンタモニカまで続きます。

BEGINサインで記念撮影したら、ルート66の旅のスタートです! Adams Stの起点に当たる、シカゴ美術館の正面の交差点にルート66の出発点「BEGIN」の看板があります。しかしそれは、オリジナルのスタート地点ではありません。

BEGINサインからシカゴ美術館の正面を右折、一本南のJackson Blvdへ出たら左折し、ミシガン湖へ向かいます。公園から湖岸まで進むと、交通量の多い通りLake Shore Drに突き当たります。この何もない交差点が、本来のルート66のスタート地点です。このJackson Blvdがルート66であった頃の出発点は、ミシガン湖のほとり、Lake Shore Blvdとの角にありましたが、今はルート66廃線の時に立てられた「END」の看板があるのみとなっています。

Writer’s Profile

Kanazawa Ken
Kanazawa Ken
東京都向島出身、ラスベガス在住。2011年に富士フイルム・フォトコンテストで銀賞を受賞しプロカメラマンとしてデビュー。以降、数々のメディアに写真を提供する唯一無二のルート66大陸横断スペシャリスト。

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