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映画カーズのモデル、ルート66放浪画家ボブ・ウォルドマイヤーの旅をなぞる

Route66に魅せられて Vol.03
映画カーズのモデル、ルート66放浪画家ボブ・ウォルドマイヤーの旅をなぞる
by Kanazawa Ken
Route66に魅せられて

ウィルミントンから8kmほどにあるルート66の宿場町、ブレイドウッドに、50’sスタイルのドライブインがある。50年以上前に、水玉模様が描かれた虹色のスクールバスを使ったレストランから始まった、ポルカ・ドット・ドライブインだ。エルヴィス、マリリン・モンロー、ベティ、ジェームズ・ディーン等の像があり、クラシカルな店内は人気の写真撮影スポットだ。

Route66に魅せられて

更に南西へ約30km、ルート66のウェルカムセンターでもある、アンブラー・ベッカー・テキサコ・ガス・ステーションに立ち寄り、その後はリビングストン郡にあるルート66ポンティアック博物館へ。古い消防署の建物が使われており、入場無料となっている。館内にはルート66にまつわる歴史や、アメリカ中西部から西海岸へと続くルート66が自由のシンボル「マザー・ロード」と呼ばれた逸話、ルート66を旅した伝説の画家、ボブ・ウォルドマイヤーのバスや、映画「カ―ズ」のイメージに使われたフォルクス・ワーゲン・バンなどの貴重な展示がある。建物裏に描かれた州内最大のルート66の壁画は必見。

博物館を堪能したら、2時間ほどドライブしてボブ・ウォルドマイヤーの両親のダイナー、コージードッグへ。日本で言うアメリカン・ドッグの発祥の地だ。みなさんはアメリカン・ドックとコーン・ドックの違いを知っているだろうか?日本でいうアメリカン・ドッグは、ソーセージ(又は魚肉ソーセージ)を串に刺し、小麦粉などで作った衣をつけて油で揚げた日本独自のもの。アメリカではコーンミール(トウモロコシの粉)を使用した生地が使われることからコーン・ドッグと呼ばれていて、衣が違う。

Route66に魅せられて
Route66に魅せられて

“アメリカン・ドッグ”は和製英語だから、アメリカでは通じないからね。次はオーバーンズ・ブリックにある、赤レンガのルート66へ行ってみよう。昔、土や砂利の道路は雨が降ると水が溜まり、道は泥となって乾燥するまで通ることが出来なかったために舗装整備されたレンガ道。時間があればベックス・バーン(納屋)にも寄ってみてほしい。

ルート66イリノイ最後のスポットは、チェーン・オブ・ロックスブリッジ。元々ルート66はミシシッピ川を渡る際に使用されたルートだったが、現在は車両の運行は禁止され、歩行とサイクリングでのみ橋を往来できる。しかし、橋の南にあるイースト・セントルイスには、全米屈指の治安の悪い地域があるので、特に夜間は行かないように。この橋は30年以上に渡り、ルート66の旅人にとって重要なランドマークだった。橋からはセントルイスの街が一望でき、橋の途中にある古いガス・ポンプとルート66がデザインされたベンチは一見の価値あり。

Writer’s Profile

Kanazawa Ken
Kanazawa Ken
東京都向島出身、ラスベガス在住。2011年に富士フイルム・フォトコンテストで銀賞を受賞しプロカメラマンとしてデビュー。以降、数々のメディアに写真を提供する唯一無二のルート66大陸横断スペシャリスト。

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