
イリノイ州からミシシッピ川を渡ると、ミズーリ州に入る。マザーロードの10分の1にあたる480キロ以上が通っているミズーリ州の、豊かな自然が残る街セントルイスにあるゲートウェイ・アーチへ行ってみよう。
1803年、アメリカはフランスからミシシッピ川以西の領土を買い取った。この、「ルイジアナ買収」により、アメリカの国土は一気に2倍に広がった。その後、1862年にはホームステッド法が発効され、西部開拓時代が到来!西部へ向かう開拓者たちの出発点を記念して作られたのが、ゲートウェイ・アーチである。

ミシシッピ川沿いにある古くから繁栄した街には、ヨーロッパからの移民による影響を強く受け、今も当時の教会や町並みが残っている。
セントルイスから南西に車を走らせた、クロフォード郡キューバは“ビバ・キューバ壁画プロジェクト”によって認定されている、ルート66壁画都市で、12の壁画はぜひとも訪れたい写真スポットである。他に、レトロなワゴンホイールモーテルは、オザーク原産の石で建てられ、かつてはガス・スタンドとカフェもあった。看板のネオンサインは世界的に有名で、モーテルは国家歴史登録財となっている。
キューバの西にある小さな町ファニングでは、世界第2位の大きさのロッキング・チェア「ルート66レッド・ロッカー」を見てみよう。
お次は、ラクレード郡レバノンにあるマンガー・モス・モーテルだ。長年ネオンが故障していたが、2010年に大規模な保全活動によって復元された、ルート66を代表するネオンサインがランドマークなので写真撮影を忘れずに!


続いて、ゲイ・パリータ・シンクレア・ステーションへ立ち寄ってみよう。1955年に火災に見舞われたが、ルート66の保存のために博物館として再生された。ここでは、多くの旅人が“15分ほど・・・”そんな気持ちで訪れるものの、ゲリーの心のこもったホスピタリティとルート66の歴史などの話に夢中になり、気が付いたら2時間、3時間と過ごしてしまうことが珍しくなかったそうだ。ルート66上で最も多くの旅人に愛された1人、ゲリー・ターナーの他界後は、娘のバーバラが両親の意思を継ぎ、現在は再開している。
最後は、ルート66保全運動の代表例として1998年に復活した、カーセージにある66ドライブ・イン・シアターだ。映画やドラマの昔のシーンにもよく登場する、20世紀半ばのアメリカ文化の象徴なので、一見の価値ありだ。ただし、冬季は休業しているので、映画を観たい場合は要確認である。
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