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1926年にアメリカ初の大陸横断道路の1つとして創設されたルート66

Route66に魅せられて Vol.07
1926年にアメリカ初の大陸横断道路の1つとして創設されたルート66
by Kanazawa Ken
Route66に魅せられて

有名な1800年代の古い道オザーク・トレイルが元になった、オクラホマのルート66は、8州の中で1番距離が長い。

全米最長のルート66は、オクラホマを横切り、ドライブしながら魅力的な街や道端のダイナー、風変わりなアトラクションを見ることが出来る。

オクラホマには67部族のネイティブアメリカンが暮らし、このうち39部族はオクラホマに本部を置いている連邦政府から認められた部族で、全米で最も多い。

Route66に魅せられて

マイアマーはオクラホマ・インディアン準州の一部だったが、連邦政府公認のマイアマー族の首都であったため、その名前にちなんで命名されたルート66の宿場町だ。1929年、地元の鉱業界の大御所、ジョージ・コールマンが劇場の構想と資金提供を行い、マイアマーのメインストリート沿いに、ダラスとカンザスシティの間で最も豪華な娯楽施設として、コールマンシアターを建設。ルート66の旅人に、豪華なエンターテイメントを提供し続けた。

1983年に国家歴史登録財に登録されたシアターを、後にコールマン家はマイアミ市に寄付し、今も営業を続けている。

少し北上してクク・バーガーにも足を延ばしてみよう。この店は60年代から続く、鳩時計をテーマにしたハンバーガー店で、中西部に約200軒あったが、マクドナルドの急成長とともに、価格競争で衰退した。

しかし、1973年にユージン・ウエイランが購入したマイアマー・ククが、ルート66沿いに最後のクク・バーガーとして残り、ルート66の旅人たちからベストバーガーと称賛されている。

Route66に魅せられて
Route66に魅せられて

南西に10分ほど車を走らせると、ルート66より古い歴史のあるリボン・ロードにたどり着く。リボン・ロードは元々オザーク・トレイルの一部だったが、1926年にルート66に組み込まれた。舗装された古いこのジグザグ道は、オールド・ルート66から残っている唯一の1車線の旧ルートだが、一世紀もの交通を担った劣化が激しく、くぼみや崩れた舗装、消えかけたルート66のサインなどが保全されることを願う。

ルート66のゴースト・タウンばかりを掲載した本の中で紹介されているアフトンは、リボン・ロードから南へ15kmほどの距離なので、ぜひ立ち寄ろう。今は閉業しているが、ルート66初の24時間営業だった最新ガス・ステーションを改修した、アフトン・ステーション パッカード博物館のD-X燃料ポンプを備えたブリキ屋根などを見て、往時を偲んでみるのはいかがだろうか。

※現在は、取材当時と状況が異なる場合がありますので、現地へ行かれる際は各自で最新情報の確認をお願いします。

Writer’s Profile

Kanazawa Ken
Kanazawa Ken
東京都向島出身、ラスベガス在住。2011年に富士フイルム・フォトコンテストで銀賞を受賞しプロカメラマンとしてデビュー。以降、数々のメディアに写真を提供する唯一無二のルート66大陸横断スペシャリスト。

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