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本当の自分を思い出させてくれるルート66の旅

Route66に魅せられて Vol.08
本当の自分を思い出させてくれるルート66の旅
by Kanazawa Ken
Route66に魅せられて

ジョン・フォード監督、ヘンリー・フォンダ主演で映画化されたジョン・スタインベックの「怒りの葡萄」は、オクラホマ農民が生活の糧を求めてルート66をカリフォルニアに向かう物語だ。そのオクラホマのアフトンから1時間ほど行ったところに、ルート66沿いの名所中でも特に有名なブルー・ホエール・オブ・カトゥーサがある。鯨の置物を集めていた妻への贈り物として作った場所で、池の周りにはテーブルやイスがあり、一般の人も使えるようになっている。一度は閉園されたが、今は塗装も新たに復活し、多くの人の憩いの場となっている。

Route66に魅せられて

湖畔の笑う鯨を後にルート66を西へ向かう途中に、周辺の環境はあまり良くないので長居は勧めないが、サボテンのネオンサインが有名なデザート・ヒルズ・モーテルがある。1953年から今も営業を続けており、誰もが一度は写真で見たことがあるだろう。同じく、ネオンサインが素晴らしいタリーズ・グッド・フード・カフェや、1950年代のPEMCOガソリンスタンドの跡地に出来た、巨大な宇宙カウボーイのマフラーマンが立つ、バックアトム・コズミック・キュリオス・オン・ルート66などを写真に収めながら、一路タルサへと向かおう。

アーカンソー川沿いには、マザーロードの建設に関わる運動を始めた、ルート66の父として知られるオクラホマの事業家、サイラス・アベリーを称えて作られた橋とセンテニアルプラザがあるので立ち寄ろう。タルサを象徴する銅像とルート66の標識で、記念撮影を忘れずに。

川を渡って一路、地元ストラウドの砂岩を使った建物から名付けられた、ロック・カフェへ行ってみよう。ベスト・オクラホマ・ダイナーにも選ばれたことがあり、所有者Dawnは、映画「Cars」のサリー・カレラのキャラクター構成のモデルにもなっている。

Route66に魅せられて
Route66に魅せられて

そこからは、ルート66のガイドブック「EZ66」の作者ジェリー・マクラナハンの自宅にあるルート66ギャラリーや、巨大なボトルのモニュメントが目印のPop’sへ行ってみよう。ポップ・ソーダをテーマにした店Pop’sは、アーケディアのルート66沿いに忽然と現れ、夜になると美しくライトアップされ数十キロ先からも見ることが出来る。12000を超えるソーダ瓶のコレクションや700種以上のドリンクが売られていて、併設のダイナー風レストランはソーダとハンバーガー、バッファローウィングが人気だ。

最後は、一時通行止めになっていたがオクラホマ市が400万ドルをかけて修復した、レイク・オーバーホルザー・ブリッジを渡り、ルーシーズ・ガス・ステーション、ロジャー・ミラー・ミュージアム、そしてルート66沿いで最もユニークな施設の1つである、サンドヒルズ・キュリオシティ・ショップを楽しみながら西へと向かおう。

※現在は、取材当時と状況が異なる場合がありますので、現地へ行かれる際は各自で最新情報の確認をお願いします。

Writer’s Profile

Kanazawa Ken
Kanazawa Ken
東京都向島出身、ラスベガス在住。2011年に富士フイルム・フォトコンテストで銀賞を受賞しプロカメラマンとしてデビュー。以降、数々のメディアに写真を提供する唯一無二のルート66大陸横断スペシャリスト。

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