
オクラホマからひた走りテキサスへ。テキサスは、「Staked Plains 囲まれた平野」と呼ばれ、大半はプレーリー(草原)で、海岸の湿地と松林に始まり、岩の多い丘が続き、最後は砂漠とビッグベンドの山脈で、東西に直線で伸びているマザーロードの中央部に当たる。ルート66の距離は8州の中で2番目に短く、291kmである。

テキサスは、最初に領有権を主張したのはスペインだった。次にフランス、メキシコが領有したが、1835年に独立してテキサス共和国となった。その10年後にアメリカ合衆国28番目の州となったが、1861年にアメリカ合衆国からの脱退を宣言し、戦後再び合衆国に復帰した。
ルート66の宿場町シャムロックには、映画「Cars」でラモーンの塗装工場として登場する、U-ドロップ・インとタワー・ステーションがある。
西側のガソリン・スタンドとレストランはアールデコ建築様式で、幾何学的なディテール、曲線の塊、セラミック・タイルの壁、ネオンの光のアクセントを備えた2つのタワーが特徴的だ。東側のU-ドロップ・インも美しく印象的な建物だ。ルート66の廃止で荒廃したが、1997年に国家歴史登録財に登録された後、連邦政府の助成金によって改修され、現在は博物館、ビジター・センター、ギフトショップ、市の商工会議所となっている。1900年代初期に油田が発見されて、テキサス経済は成長した。フィリップス・ペトロリアムが1927年にマクリーンで最初のガソリン・スタンド、フィリップス66ステーションを開業した。

今ではヒューストンに本社を置き、ニューヨーク証券取引所に上場し、フォーチュン500社にも常連の石油会社だ。「Phillips66」の由来は、ルート66でガソリンをロード・テストした時に、毎時66マイルに達したことからなんだそうだ。
フィリップス66の先、マクリーンのメインストリート沿いには1956年から今も営業する、常に高評価のカクタス・イン・モーテルがある。サボテンのような形をしたネオンサインは必見だ。

アマリロの手前にある町コンウェイには、キャデラック・ランチのパロディでライバル的存在の、5つのフォルクスワーゲン・ビートルが頭から地面に埋められたバグ・ランチがあるので時間があれば寄ってみよう!
西へ車を走らせ明るい黄色に青い装飾の建物が見えたら、ビッグ・テキサン・ステーキ・ランチだ。大きな雄牛の像に「72オンスのステーキを時間内に食べる事が出来たら無料」と書いてある。6人に1人が成功する、72オンス(約2Kg)のステーキにチャレンジしてみるのもテキサスならではの土産話になるだろう。
※現在は、取材当時と状況が異なる場合がありますので、現地へ行かれる際は各自で最新情報の確認をお願いします。
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