
愛称「10,000 Lakes」とも呼ばれるミネソタ州には、五大湖の一つであるスペリオル湖をはじめ、その名の通り大小数多くの湖が州内あちこちにあります。スペリオル湖南端にあるDuluthという街から湖岸沿いに北上していくと、こぢんまりした町(Two Harbors)、滝(Gooseberry Falls)、灯台(Split Rock Lighthouse)等、様々な景色と大自然を堪能できて、私のお気に入りドライブコースの一つです。途中、赤茶色の小石がたくさんある湖岸で車を止めて、小石のビーチを散策してみると、スペリオル湖周辺が主な生産地である、スペリオールアゲートと呼ばれる州の石「めのう」の原石を見つけられるかもしれません。
水関係では、全米で2番目に長いミシシッピ川の源流があるのも、ここミネソタ州です。中西部で海はなくとも多くの湖に恵まれたミネソタ州では、夏はカヌー、カヤック、ウォータ―スポーツや魚釣り等、長く厳しい冬には凍った湖上に車のまま乗り込んだり、小屋を建てて、氷に穴を開けて魚を釣る、穴釣りを楽しむ人の姿があちこちで見られます。湖で捕れるWalleyeと呼ばれる白身魚は、ミネソタ名物の一つで、州内各地のレストランでフライにしたり、焼いたものを堪能できます。もちろん釣り好きの方は自分で釣ってみるのもありですね。
また、米国北東部の湿地帯で自生しているワイルドライス(名前からお米を想像してしまいますが、実はイネ科に属する草の実)は、独特な食感で、ピラフや、クリーミーなスープにしたワイルドライススープもミネソタ名物ではないでしょうか。是非お試しを!


州都は、日米初の姉妹都市提携を長崎市と結んだセントポールですが、規模としては、より大きなミネアポリスが隣接しており、両市を総称してツインシティーズと呼ばれています。両市にはいずれも空港からライトレールと呼ばれる路面電車でアクセス可能です。
ショッピング好きの皆さんには、全米最大規模のモールオブアメリカがお勧めでしょう。数えきれないほどの有名ブランドやその他数多くの小売店、飲食店、屋内遊園地、映画館、水族館等々があり、ガラス張りの天井で温室効果を生みだせるモールオブアメリカでは、ミネソタのような厳しい冬の間も暖房は一切使っていないそうです。
ミネソタ州では衣類(靴も含む)には消費税がかからないのも、ショッピング好きの私にはたまりません。
Writer’s Profile

マスターラーク綾子
静岡県出身。ミネソタ在住22年。
複数の米国企業で勤務経験を積み、現在は原子力安全に係る米コンサルティング会社で日本の原子力業界・企業との懸け橋となる各種業務を担う。趣味の手芸、裁縫、ガーデニングと、子供達との時間も大切にしている。
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