by 二子石みこ

ニューヨークを「ビッグアップル」と呼ぶのに対し、ニューオリンズは「ビッグイージー」と言われます。その名の通りとてもEasy Goingで、しかもちょっと緩め!?な街として知られていると思います。街の歴史はとても深く、300年強。フランス、スペイン等ヨーロッパ文化が根付いた市内は、世界中からだけではなく、アメリカ国内から訪れる観光客さえも魅了してしまいます。

一番の観光スポットと言えば、ミシシッピ川沿いにあるフレンチクォーターです。その街並みはプチヨーロッパ旅行に行った気分になれます。そして日本人にもお馴染みのニューオリンズ文化と言えば音楽。ジャズの発祥地であり市内外にはライブミュージックを楽しめるスポットが沢山あります。
食にも貪欲で、ローカルレストランが盛んです。どのレストランも美味しいので、大手レストランはニューオリンズ展開しても存続が厳しいと言われていて、ほとんど見かけないくらい。住民の会話も「最近行った美味しいレストラン」がほとんどです。私のビックリエピソードと言えば、父が日本から遊びに来た際、普段は保守的、食わず嫌いなのに色々と挑戦して「何を食べても美味しい!」と言っていた事かな。ジャンバラヤやガンボ等、日本でも聞いたり食べたり出来ますが、「炊く」系の、保存が出来て白いご飯やバゲットと合う物が多いです。ニューオリンズ飯が美味しい理由は、出汁やシーズニングを大事に考えていて、深い味に拘りを持って料理する所ですが、そこも日本と似ているのが私には嬉しいポイントでもあります。


そんなニューオリンズ、この年始の時期に街の一番の見せ場がやってきます。Mardi Grasと言うカーニバルの開催!世界3大カーニバルの1つと言われ、元々はクリスチャン系のお祭りです。クリスマス終了後の1月6日からLent(四旬節)までの間、街中がMardi Grasカラーの紫、緑、黄色で装飾され、毎週末山車パレードが通るエリアに住民が集まります。2023年は2月21日火曜日がMardi Gras Day(フランス語でFat Tuesdayの意味)、Mardi Gras Day前の最後の2週間は一番盛り上がる期間で、ほぼ毎日街のどこかでパレードが見られます。小さい子供からお年寄りまで楽しめるこのカーニバル、いつもはイージーで緩めな街を1つにまとめてしまう役割をしています。
Writer’s Profile

二子石みこ
Tulane University建築学部修士課程終了。インテリアデザイナー、建築士として、主に商業施設のデザインに携わる。歴史的建造物保存や環境保護、ウェルネスを組み入れた空間のデザインを心がけている。2児のママ。
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