
この頃は羽田空港に降り立つと、コロナ禍の収束を感じさせる多くの観光客の姿が見受けられます。隣に座った乗客も、東北を巡るのだと言って嬉しそうに笑っていました。東北の旅と言えば、ひとつ思い出すのが秋田の旅。農業王国として知られる当地に取材で足を運んだ際、その自然と食の豊かさに圧倒された記憶があります。

早朝、東京駅から新幹線こまちに乗って、約3時間40分(飛行機利用なら約1時間)。秋田駅に着いてから早速向かったのが、徒歩16分程度の場所にある、昭和34年創業の「手作り納豆専門店 二代目福治郎」さん。このお店を目指した目的は、「納豆発祥の地」である秋田本場の手作り納豆を食べてみたかったから。福次郎さんは「黒いダイヤモンド」などと大きな話題を呼んでいる「丹波黒」という納豆を取り扱っているのです。「丹波黒」は世界でも類のない大型の丹波大豆が使われていて、香り高さとモチモチした食感、そして極上のうま味が特徴的。そのお値段、なんと1パック2個入りで税込み2160円。けた違いのお値段ですが、その最上級のこだわりを味わう価値は十分にあります。ちなみに、ネット通販でも入手可能なので、興味のある方は要チェック。
次に向かったのは、福次郎さんから車で10分ほどの場所にある、秋田ではお馴染みのスーパーいとくの川尻店。目的は秋田農家ブランド「SENTE」さんのお野菜。以前、都内の秋田物産展で目にして、トウモロコシと枝豆が本当に美味しく、秋田に足を運んだ際はぜひ買いたいと思っていたのです。男鹿半島の天然資材を用いて、土壌改良による独自製法を行っているSENTEさん。味わいの深みや甘さ、見た目の艶やかさなど、普通の野菜とはまるで違う逸品です。現地でしか入手できない特別な作物との出会いは本当に嬉しいですね。また、秋田定番名物のいぶりがっこ(燻製たくあん)もここで買いました。
続けて向かうは、車で北に1時間程度の場所、男鹿半島の先っちょにある入道崎。秋田の旅では外すことのできない絶景ポイントです。断崖に堂々とそびえるのは、白と黒の縞模様が鮮やかな灯台。ここは日本にある3000基以上の灯台の中でもレアな「中に入って階段で登ることが出来る灯台」です。晴れている日に展望台から日本海を望むと、その雄大さに心が晴れ渡ります。営業期間は4月中旬から11月上旬まで。ちなみに例年8月中旬にはここで入道崎灯台祭りが開催され、男鹿半島の郷土芸能「なまはげ太鼓演奏」が披露されます。
夕暮れになる前に、この日最後の目的地である「大曲」へ向かいます。車で1時間半ほど南へ。日本三大花火大会のひとつとして知られる「大曲の花火(全国花火競技大会)」の観覧に向かいます。私は初めての参加。同行者も私も、最初から最後まで語彙力をなくして、ただスゴイ! のひとこと。最後の秋田県民謡を聞きながら演出されるワイドスターマイン30連発には涙が出そうなぐらい感動しました。隣にいた家族連れの方はかなりの花火通らしく、この花火大会には遠路大阪から毎年必ず家族で来ていると言っていました。
秋田の地で味わった美味しい食事や豊かな絶景との出会い――花火の輝きが夜空を照らす中で、秋田の旅の思い出が心に深く刻まれました。
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