
こんにちは、ゆうです。今回から「アメリカで働くということ」というテーマで連載させていただくことになりました。今回は自己紹介を兼ねて、僕がどのような経緯でアメリカで働くことになったのかについて書かせていただこうと思います。僕は生まれも育ちも日本の、いわゆる純ジャパという種類の人間です。大学時代から英会話スクールに通ったりはしていたものの、それは「就職に有利かも」といった意識の低い動機からで、グローバルな環境で働きたいとか、ましてや海外で暮らしたいなんてことは1ミリも思っていませんでした。
新卒で外資系コンサルティング会社に入社しましたが、クライアントは日本企業ばかりで、英語を使う機会はほぼありませんでした。一度だけアメリカに出張する機会がありましたが、英語がほぼ全く聴き取れず&話せず、コテンパンにされて帰ってきました。
コンサルを数年で卒業し、IT系メガベンチャーに転職して1年ほど経った頃のこと。新しい仕事にもだいぶ慣れ、しばらくサボっていた英語の勉強を再開することにしました。やみくもに勉強しても効率が悪いので、まずはTOEICを受けて自分の苦手を洗い出すことに。
数年ぶりのTOEICでしたが、時間的には余裕を持って解答することができました。1~2週間後、スコアが返ってきます。さて、結果は…?
985点。え?
もう一度見てみました。985点。
え? 985点って、ほぼ満点でしょ? なぜ自分が…?
当時の僕は、「TOEIC満点=ネイティブ並みに英語ができる」だと思っていたので、この点数には大いに困惑しました。何より、自分の弱点を探すために安くない受験料を払ったのに、これでは何の参考にもなりません。受験料損したなあと落ち込んでいたその数日後、上司から謎の呼び出しが。
「ゆうさん、聞きましたよ。TOEIC985点!すごいですね!サンフランシスコ支社に赴任しませんか?」「でも僕、英語話せませんよ?」「TOEIC985点なら大丈夫ですよ!長くても2年だけですから!ね!」「そうですか?そこまで言うなら…」というわけで、あれよあれよという間にアメリカ赴任が決まり、その3ヶ月後にはアメリカの地に降り立っていたのでした。
あれからもうすぐ丸9年が経とうとしています。TOEIC985点なら英語は大丈夫、なんてことは全くありませんでした。英語にはいまだに苦労しています(泣)。当初想定していた2年間はあっという間に過ぎ去り、サンフランシスコ支社の閉鎖とレイオフ、半年間にわたる就職活動の末のAmazonシアトル本社への就職、そしてスタートアップへの転職と、本当に色々なことがありましたが、それはまた別の機会に。
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