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生粋Japanese ゆうの米国就職Tips

残業しないアメリカ人

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  • 投稿カテゴリー:働く
生粋Japanese ゆうの米国就職Tips Vol.02
残業しないアメリカ人
by ゆう
生粋Japanese ゆうの米国就職Tips

サンフランシスコに赴任して間もない頃。日本とアメリカの働き方の違いには、色々と戸惑うことも多かったです。中でもまず驚いたのが、「アメリカ人、全然残業しないな」ということでした。

僕が新卒で入ったのは、激務で有名な外資系コンサルティング会社。毎日終電帰りがデフォルトで、終電を逃してタクシーで帰ることも珍しくありませんでした。その後に転職して入った会社もコンサル出身者が多く、そこでも似たような働き方をしていました。

サンフランシスコ支社を立て直す、という重大な使命を与えられ、やる気にあふれてアメリカにやって来た僕は、当然のようにそんなスタイルで仕事しようとしていたのですが…。現地メンバーの帰るのが早いこと早いこと。夕方17時にはみんな帰り始め、18時に残っているのはごく少数。19時には誰もいなくなっていました。

「みんな出社してくるの遅いし、夕方も明るいうちに帰っちゃうし、アメリカってとんでもない国だな!」

渡米当初は、真剣にそう思っていました。しかし、そんな国で2~3週間働くうちに、僕は自分でも知らないうちに持っていた、自分だけの「当たり前」に気づき始めます。

僕が日本で働いていたときには、
1.平日の時間は全て、仕事のために使うのが当たり前
2.予定していた仕事が終わらなければ、残業して予定通り終わらせるのが当たり前
3.一旦仕事が終わっても、ギリギリまで粘ってクオリティを上げるのが当たり前このように考えていました。

一方、僕の周りのアメリカ人たちは、
1.平日17時以降はプライベートのために使うのが当たり前
2.予定していた仕事が終わらなければ、計画を変更するのが当たり前3.クオリティが及第点に達したのならば、そこで切り上げるのが当たり前どうやらこのように考えているようでした。

新卒からずっと、同じような考えの人たちに囲まれて仕事してきたので、それ以外の価値観があるということに気づけなかったんですね。アメリカに来て、今までと全く異なる環境で働いて初めて、自分がそんな価値観を持っていたということに気づくことができました。

あれから9年。人間の適応能力とは大したもので、そんな僕もすっかりアメリカの考え方に染まりました。今は、コロナでそもそも出社すらしなくなりましたが、コロナ前でまだオフィスで働いていた頃は、15時にはそわそわし始め、16時には後片付けを始めて、17時にはオフィスを出ていました。もう、日本の会社では働けない身体になってしまったのかもしれません笑。

今では、「みんな朝早くから夜遅くまで働いて、家族と夕食もとれず、日本ってとんでもない国だったな!」って思ってます笑。

Writer’s Profile

ゆう
ゆう
2013年に日本企業の駐在員としてサンフランシスコに赴任したものの、赴任先の支社が閉鎖に。半年間にわたる就職活動の末にAmazonシアトル本社に転職したことを機に、アメリカ就職に関する発信活動を開始。
ブログ:本気のアメリカ就職 を運営する傍ら、講演や大学のゲスト講師など活動の幅を広げている。

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2013年に日本企業の駐在員としてサンフランシスコに赴任したものの、赴任先の支社が閉鎖に。半年間にわたる就職活動の末にAmazonシアトル本社に転職したことを機に、アメリカ就職に関する発信活動を開始。