
アメリカ人って、めっちゃ褒めてきますよね。街を歩いているだけでも、見知らぬ人に突然「そのシャツいいね!」って言われたり。うちの6歳になる娘も、順調にアメリカ流に育っていて、見知らぬお姉さんたちにいつも「そのイヤリングいいね!」とか言っております。
アメリカ人の褒める力が職場で顕著に発揮されるのは、なんと言ってもパフォーマンス評価のときです。最近は、上司からの評価だけではなく、同僚や部下などからもフィードバックを受ける360°評価が一般的だと思いますが、そのとき貰うフィードバックが、基本的に称賛の嵐なわけです。
僕が今までにもらったフィードバックコメントの例を挙げてみます。
”まるで超能力者のようだ。彼に仕事を頼むと、いつも「それならもうできてるよ。はいどうぞ」と言うんだ。チームが必要とするものを見極め、データに基づいた決断を下す彼の能力は、他の追随を許さない。彼のおかげで、プロダクトが正しい方向に向かっていると確信できるんだ”
だいたいこんな感じです。フィードバックコメントで「超能力者」なんて単語、そうそう出てこないですよ笑。ちなみに、僕は他の人にフィードバックする時の参考にするために、自分がもらったフィードバックコメントを保存しています。(更にちなみに、実際の僕はこんな超人ではなく、英語が苦手なごく普通の日本人サラリーマンです)
さて、こんな環境で働く日本人が注意しなければいけないことがあります。それは、「アメリカ人に対してフィードバックをするときには、必ずポジティブにしなければいけない」ということ。小さい頃から褒めて育てられたアメリカ人は、ネガティブ耐性が激弱です。あんな筋肉ムキムキに見えて、実はガラスのハートの持ち主なんです。
そんな彼らに対して、日本的な「ダメ出し」フィードバックをするとどうなるか。良くて嫌われる(当然改善もしてもらえない)。下手をすると管理能力不足の烙印を押されたり、最悪パワハラで訴えられるかも知れません。実際、ここに上手く適応できず、赴任後早々に日本に帰国させられた駐在員マネージャーを見たことがあります。
「フィードバックとはダメ出しのことである」という文化の会社から来たばかりだと、いきなりアメリカ流に切り替えるのは難しいかもしれません。まずは、
- 1つのネガティブフィードバックの前に最低3つのポジティブフィードバックを
- ネガティブフィードバックも、できる限りポジティブに聞こえるように
という2点を心がけてみると良いと思います。前向きな言葉で前向きな職場環境を!
Writer’s Profile

関連記事
60歳をこえると、少しの風邪が平気で長引くようになる。発熱と咳、なかなか治らんなぁと思っていたら軽い肺炎だった。少し体調が良くなったかと思えば、今度は集中豪雨。海がしけては漁に出られない。体調と天候の悪化がかぶると、漁師 […]
女子神職として初めての祭事で失態を犯してしまった私は、当日はさすがに落ち込んだものの、そこから心身ともに逞しく成長していった。ある意味初めに失敗したことで、もう恐れるものは何も無いという気持ちになったのだ。 そのうち祈祷 […]
今年の夏、ツイッターやインスタなどのSNSで、在米日本人の一時帰国を巡る投稿を頻繁に目にする。2020年のコロナ禍以後、海外在住邦人も例外なく入国後14日間の自主隔離を強いられ、日本の「鎖国」政策に苦しめられてきた。今回 […]
漁師の仕事で危険を感じる瞬間は、「死を予感させる」瞬間でもある。海の事故は大きく分けて2つだ。海が荒れたり、他の船と衝突したりして、自分が海に投げ出される”転落“と、網を巻き込む機械に挟まれる”巻き込み“だ。 船は大きく […]
みなさん、ハンディマンという職業をご存知でしょうか? アメリカで一軒家に住まわれている方にとっては恐らく頻出単語だと思います。ハンディマンとは、家周りの工事や修理などもろもろを引き受けてくれる、文字通り便利な人です。日本 […]
神社実習も無事に終わり、ついに拠点の神社に戻り女子神職デビューの日を迎える。歴代初の女子神職の誕生ということで、神社に新風が吹き込んだのはいいが、勤務先の神社には女子神職用の華やかな装束や飾りものなどは一切なかった。 本 […]
いずれは本帰国する日が訪れる駐在ファミリーにとって、楽しみの一つは旅行だろう。米国には、魅力的な観光地が星の数ほどある上、日本からは中々行きにくいエリアにも、米国からなら簡単に足を延ばせる。滞在期間が限られた、かけがえの […]
無事養成所での修了過程を終えると、階級に応じて指定神社実習を受ける場合がある。規模の大きい神社で実際に働きながら経験を積むのだ。実習を終えて宮司から判子を貰わなければ、免許の申請ができない仕組みになっている。私の実習先と […]
私は今現在女子神職をしている。自らの意思で目指した訳ではなく、気付いたらなぜかそういうルートを歩いていたのだ。 始めは巫女として神社に奉職したが、宮司に「お前神職資格取ってこいや! そしたら踊りも拝みもどっちもできてお得 […]
「男は人前で涙を見せるもんじゃない」、「〇〇は女の子だし、地元の短大で良いんじゃないの」。このような旧態依然とした会話が、今も日本のどこかで繰り広げられているのだろうか。 人々が潜在的に抱いている先入観や偏見、思い込みが […]
おすすめ記事
九州南部のとある漁師町。県全体の7割もの漁獲量を誇り、天然の良港に恵まれた町がある。最寄りの駅からは、峠を越えて、くねくねしたリアス式海岸沿いの道を車で走らせること30分。穏やかな海に囲まれた漁港のそばで、何隻もの漁船が […]
海外で暮らすと空気が読めなくなる…!? パックンに相談です。先日、5年間のアメリカ生活を終えて日本に帰国したのですが、海外生活が長かったせいか日本人特有の「空気を読む」ことが難しくなっています。会食中に「最後の一個残し」 […]
まるごとレモンでビタミンチャージ! ビタミンCの代表選手とも言えるレモン。レモンの爽やかな酸味と香りは、お料理を引き立たせてくれるだけでなく、風邪の予防など健康に嬉しい栄養素も含まれています。レモンは色々なお料理に使える […]
私は、所属しているU.S. armyからの辞令で、テキサスにある基地に転勤となり、2020年に3年の予定でコロラド州のデンバーからテキサス州コーパスクリスティに越してきました。コーパスクリスティはテキサス州で8番目の都市 […]
「頭金ゼロでも、利息が高いけど購入可能らしい」というのは本当ではありません。自宅購入の場合、頭金は最低3%必要。投資物件なら25%は欲しいところです。毎月の住宅ローンの支払いは、①元本と②利息、③固定資産税と④家の保険の […]
by サイラス・リュウイチ・トラン サッカーは、多くの人に開かれたスポーツです。私は、プロサッカーチームのないハワイで生まれ育ちましたが、幼少の頃からボールを必死に追いかけて、プロサッカー選手になる夢を叶えました。そして […]
新着記事
日本ではオレオレ詐欺などに代表される、電話を使った詐欺。アメリカにもいっぱいあります。むしろ頻度は米国の方が酷いかも?引っ越してきたばかりの頃は、状況が理解できず詐欺の被害に遭ってしまう方もいらっしゃるので注意が必要です […]
過日、ネットフリックスで『平家物語』のアニメを観たという知人の子供から「壇ノ浦ってどこにあるの?」と尋ねられて答えに窮した。歴史の散策探訪に興味があり、壇ノ浦合戦場の跡地にも実際に足を踏み入れている筆者がこれに即答できな […]
石田純一 1954年東京都生まれ。1972年NHKドラマでデビュー。80年代には、数々のトレンディードラマに出演し、絶大な人気を得る。ドラマや舞台、映画など多方面で活躍。2021年に始めたYouTubeチャンネル「じゅん […]
by ルーバル朋子 スペインの宣教師がカリフォルニアで最初のミッションを建てたことから、サンディエゴのオールドタウンはカリフォルニア生誕の地と呼ばれていることをご存知ですか? ミッションはカリフォルニアに21ヶ所建てられ […]
60歳をこえると、少しの風邪が平気で長引くようになる。発熱と咳、なかなか治らんなぁと思っていたら軽い肺炎だった。少し体調が良くなったかと思えば、今度は集中豪雨。海がしけては漁に出られない。体調と天候の悪化がかぶると、漁師 […]
女子神職として初めての祭事で失態を犯してしまった私は、当日はさすがに落ち込んだものの、そこから心身ともに逞しく成長していった。ある意味初めに失敗したことで、もう恐れるものは何も無いという気持ちになったのだ。 そのうち祈祷 […]
by Satsuki 仕事を辞めて駐在妻になる! そう決めたのは私自身なのに・・・ だんだん失っていく自信と自分に対するアイデンティティ。 これから先、私の人生はどうなるんだろう。 不安に押しつぶされそうになっていたのは […]
左右の絵では違うところが 10 個あります。全部見つけられるかな? 答え 問題に戻る
新型コロナウイルスは2023年現在、かつてのような深刻な脅威ではなくなっています。その理由の一つには、迅速なワクチンの開発があります。かつて多くの命を奪った病気を、ワクチンによって撲滅させた偉大な医学者を紹介します。 「 […]