
みなさん、プレゼンはお得意でしょうか?僕は苦手です。プレゼンなんて、できることなら一生したくない。これが、僕を含む多くの日本人の偽らざる本音だと思います。そんなプレゼン弱者な我々とは真逆で、プレゼンがめっちゃ上手い人々が我々のすぐ近くにいます。そう、アメリカ人です。
話の構成の仕方、言葉の選び方、話すペース、声のトーン、抑揚、聴衆とのアイコンタクト、果ては当意即妙なアドリブまで。アメリカ人のプレゼンのうまさは、いったいどこから来るのでしょうか? ずっと不思議に思っていたのですが、7歳の娘がアメリカの学校に通うようになって、アメリカ人のプレゼン力の秘密が見えてきました。
先日、娘のクラスで展覧会が開かれました。授業で作った海の生き物の工作を展示するのだそうです。平日の日中でしたが、仕事のスケジュールに余裕があったので、家族総出で見に行くことに。日本で展覧会と言うと、子供たちが作ったものが並べてあって、お客さんたちはそれを見て回るというのが一般的だと思います。僕もそれを予想して行ったのですが、そこで目にしたのは、僕の想像とは全く異なる光景でした。
子供たちが壁を背に等間隔に並び、手には各々が作った海の生き物の工作を持っています。壁には、その生き物の生態(住んでいる場所や食べ物など)を説明した大きな模造紙が貼ってあります。そして、子供たちはなんと、お客さんに向かってそれをプレゼンしているのです。理系の方ならば、学会のポスター発表を想像していただくといいかもしれません。お客さんからの質問にもきちんと受け答えしています。日本の小学1年生が、こんな立派な発表をできるでしょうか?
展覧会の後、子供たちの教室を見る機会があったのですが、そこには「How to give an AMAZING presentation」と書かれたフリップチャートが! あまりに感動したので写真に収めてしまいました。どうやらアメリカの学校では、こんなに小さい頃からプレゼンの仕方を教えていて、かつ実際に発表を行う機会が頻繁にあるようなのです。こんな教育を受けていたら、そりゃプレゼン上手くなりますよ…。

ただ、これは裏を返せば、「プレゼン力は教育で改善できる」ということでもあります。「自分に上手なプレゼンなんて無理」と諦めず、学習と練習を繰り返せば、いつか必ずアメリカ人のようなプレゼンができるようになる…かも…。
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