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生粋Japanese ゆうの米国就職Tips

日本の英語教育って…と思った話

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  • 投稿カテゴリー:働く
生粋Japanese ゆうの米国就職Tips Vol.10
日本の英語教育って…と思った話
by ゆう
生粋Japanese ゆうの米国就職Tips

先日、日本の高校2年生の英語の期末試験を見る機会があったんですよ。Twitterで。僕、こう見えても日本ではけっこう良い大学出てますし、TOEICもほぼ満点ですし、なんと言ってもアメリカで10年近く暮らして、英語で仕事もしてますからね。高2の1学期の期末試験なんてチョロかろうと。いっちょ軽く揉んでやるか程度の気持ちで解いてみたんですよ。そしたらですね…。もう、惨敗ですよ。

確かに、遥か昔に学校で習った記憶はあるんですよ。If + should で「万が一」とか、wish + 過去形で「~だったらいいのに」とか。でも、実際にそんな表現ってそれほど使わないじゃないですか。いや、知ってた方がいいとは思いますよ。でも、そんなことよりも、実際の場面で頻繁に使うシンプルな表現を練習しまくった方がいいじゃないですか。頻出フレーズを500回ぐらい唱えて、どんなときでもとっさに口から出てくるようにした方が、英語コミュニケーションのためには遥かに有益じゃないですか。なんでそんな、重箱の隅を突っつくような問題ばかり出すのか…。

まあ、学校側の事情も分からんでもないですよ。入試で英語を課す以上は、受験生の間で点数に差をつける必要がありますもんね。実際の会話で頻出するシンプルな表現ばかりでは、みんな満点取っちゃいますもんね。点数に差をつけようと思ったら、そりゃ重箱の隅をつつきますよね。実際の英語コミュニケーション能力を測るような試験が入試でできればベストなんでしょうけど、それを教えられる先生もいないし、採点も難しいですもんね。それは分かるんですが、でもそのために、吸収力抜群な10代の貴重な時間を、こんなあまり意味が無いようなことに費やすのは、あまりにももったいないんじゃないかなと思うわけです。

僕のチームに英語ノンネイティブのエンジニアがいるんですが、彼の英語はすごいですよ。まず、発音が独特すぎて、何を言っているのか聞き取るのがめちゃくちゃ難しい。そのうえ、文法も語法もかなり間違っている。口頭だけでなく、チャットなどの文章でも間違っているので、おそらく本当に分かっていないのだと思います。彼に前述の高2の期末試験をやらせたら、ほぼ0点に近い点を叩き出してくれることでしょう。でも、そんな彼でも、普通に英語で仕事できているんですよね。仕事で使う英語フレーズなんてある程度限定されますし、独特の発音も、文法・語法の間違いも、周りの人間が慣れてくればどうとでもなってしまうものです。

一方、多くの日本人は、中学・高校でしっかりと(実際の場面ではあまり使わないようなマニアックなことまで)英文法を学んでも、英語で仕事をできるようになるのはほんの一握り。海外で活躍できるのは更に一部のごく限られた人たちだけ。こういう現状を見ると、日本の英語教育、もうちょっとなんとかならないものかなあと思わざるを得ません…。

Writer’s Profile

ゆう
ゆう
2013年に日本企業の駐在員としてサンフランシスコに赴任したものの、赴任先の支社が閉鎖に。半年間にわたる就職活動の末にAmazonシアトル本社に転職したことを機に、アメリカ就職に関する発信活動を開始。
ブログ:本気のアメリカ就職 を運営する傍ら、講演や大学のゲスト講師など活動の幅を広げている。

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2013年に日本企業の駐在員としてサンフランシスコに赴任したものの、赴任先の支社が閉鎖に。半年間にわたる就職活動の末にAmazonシアトル本社に転職したことを機に、アメリカ就職に関する発信活動を開始。