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生粋Japanese ゆうの米国就職Tips

日米の学校の違い

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生粋Japanese ゆうの米国就職Tips Vol.18
日米の学校の違い
by ゆう
生粋Japanese ゆうの米国就職Tips

最近KARATEを習い始めた5歳の娘に、毎日ボコボコにされているゆうです。教育って難しいですね。うちには8歳と5歳の娘がいて、上の子は平日はアメリカの現地校に通いつつ、土曜日は日本語補習学校(補習校)に通っています。娘は現地校が大好きで、何があっても必ず行こうとします。ところが、補習校は必ずしもそうではなく、あまり行きたがらないこともしばしば。娘にその理由を聞いてみると、日米の学校の違いが見えてきました。

娘によると、現地校と補習校を比べると、補習校はとにかく受け身の授業が多くて退屈だそうです。先生がクラス全体に対して45分間延々と説明するという授業風景。幼稚園から大学院まで日本の教育だけで育った僕からすると、「学校の授業ってそんなものでしょ?」という感想なのですが、アメリカの現地校はどうやら全く違うらしく…。

現地校では、先生からクラス全体への説明というのは必要最低限で、基本的には子供たちが自分で手を動かしたり、グループワークやディスカッションをしたりといった活動に授業時間の多くが割かれているようです(娘がSTEM*クラスに通っている影響もあるかもしれません)。アメリカの大学はディスカッションが多いと聞いてはいたのですが、まさかこんな小さい頃からディスカッション主体の教育が行われているとは。

また、先生たちのお話の仕方も、現地校だとジョークを交えたりして楽しくお話してくれるのに、補習校だと教科書の説明を淡々とするだけで全然楽しくないと。僕も日本の学校で先生が「ちゃんと人の話を聞きなさい」と言っているのをよく耳にしましたが、社会人になった今思うのは、「人に話を聞かせることができないのは、発信者側の問題だよなあ」ということ。こういう話を聞いていると、そりゃ現地校の方が楽しいよなあと思ってしまいます。僕もできることならアメリカの現地校に通いたかった。

一方でこんな指摘も。補習校の文集の中で、つい最近日本からアメリカに引っ越してきたという小3の子が、こんなことを書いていました。

「日本の学校では勉強をたくさんしていたけれど、アメリカの学校は遊んでばかりなので、私はつい、大丈夫かなぁと思ってしまいます」

確かに、日本の授業スタイルに慣れた子がアメリカの学校に入ると、「アメリカの学校は遊んでばかり」という印象を受けるかもしれませんね。また実際に、アメリカの現地校の授業の進度は、日本の学校に比べるとだいぶゆっくりなように感じます。日本の小学校1年生で習うような内容を、2年生の終わり頃にようやく習っている、みたいな。

月並みな結論になってしまいますが、やはり全てにおいて完璧な教育というのは難しいですね。うちの子は幸運にも、日米どちらの教育も受けられる環境にあるので、上手いこと両者の良いとこ取りをできればと思っています。

*STEM:科学(Science)、技術(Technology)、工学(Engineering)、数学(Mathematics)の4つの教育分野を総称した言葉

Writer’s Profile

ゆう
ゆう
2013年に日本企業の駐在員としてサンフランシスコに赴任したものの、赴任先の支社が閉鎖に。半年間にわたる就職活動の末にAmazonシアトル本社に転職したことを機に、アメリカ就職に関する発信活動を開始。
ブログ:本気のアメリカ就職 を運営する傍ら、講演や大学のゲスト講師など活動の幅を広げている。

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